さて、表面的なスペックはさることながら、個人的には中身の構造や使われているテクノロジーの方が興味があったり。…ということでその辺について解説を試みようかと思います。
Officejet Pro X451dw全景

分解するとこんな感じ

印刷ヘッド部。印刷ヘッドが10連装になっている。

紙の横幅と同じ幅がある印刷ヘッドのおかげで、ヘッドを動かさずに紙を送るだけで印刷ができるわけです。であるがゆえに超高速印刷が可能になるんです。これは、ただヘッドを10個並べれば良いという単純な話ではないわけで、その辺の技術的な難しさは10万円以下のインクジェットで70ppmをどうやって実現したのかを読むとよく分かります。ちなみに今回は、特別に印刷ヘッドが取り外されて展示されていましたが、本来は取り外しや交換が可能な構造にはなっていないので誤解なきよう。
これはもともと業務用のハイエンドプリンタ用のテクノロジーで、「HPページワイドテクノロジー」という技術だそうな(by 発表会資料)

HPは業務用の大判プリンタやデジタル輪転印刷機の事業規模が大きく、そっち向けのプリンティングテクノロジーの技術開発も行っています。今回、そのテクノロジーがOffice
Pro Xシリーズにも採用されたという事なのだそうな。プリンタの小型化についてはEPSONやCANONの方が1歩進んでいるのかもしれませんが、印刷ヘッドやインクの研究/開発に関しては、もしかしたらHPの方が上記2社よりも進んでいるのかも知れないですナ。
ちなみに、印刷ヘッドはインクタンクの下にある。(青い線は給紙経路)

※余談ですが、給紙経路をよく見てみると、裏面印刷の方法も分かります。表を印刷し終わった後引き返し、手差しトレイの経路に合流して、裏側を印刷するという事なのだと思われます。
印刷ヘッド周辺の構造

上記資料で、「Left Door Guide」と書かれている部分を開けるとこんな感じになっています。

なぜこんなにスターホイールスタホイール言っているかというと、スターホイールをうまく使ったからこそ、高速印刷を実現できているからです。
300以上のスターホイールを使用

なるほどね~、昔のインクジェットって、スターホイールが当たり前で、紙に歯の跡がついてしまう機種も結構多かったですよね。なぜ紙を傷付けるスターホイールを使うのか、ずっと疑問に思っていたのですが、インクの乾きが遅かったからそうせざるを得なかったんですね。長年の疑問がイマサラ解決w。
…もちろん、Officejet Pro Xについては、跡は付きませんのでご安心を。普通紙はもとより、跡がつきやすい写真用光沢紙の紙でやってみても、全く問題なしでした。
製品詳細→HP Officejet Pro X シリーズ一覧(HP Directplus)
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