「無料ウィンドウズ」と期待される、Windows 8.1 with Bingとは何か?~各社の対応状況まとめ
登録日:2014年07月08日

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■■■■■■【目次】■■■■■■
【Windows 8.1 with Bingとは何か?】
【Windows 8.1 with Bingを使ってみた感想】
【各社の対応】
【東芝の場合は非常に価格的メリットが分かりにくいことになっている】
【エプソンダイレクトの場合は、7,000円安くなる!】
【マウスコンピューターの場合はまだお試し段階?】
【Chromebookに対しては極めて有効なのではないかと】
■■■■■■■■■■■■■■■■


【Windows 8.1 with Bingとは何か?】
Microsoftが「ある特定の条件を満たしたハードウェア」に対して提供する無料の(もしくは非常に安価な)Windowsです。おおまかには以下のようなことが分かっています。(2014年8月12日時点)
★9インチ未満の小さいタブレット/スマホに対しては無料で提供。なので、例えば東芝 dynabook Tab S38(8インチ)には無料で提供されたのだと思われる。
★9インチ以上のハードウェアに対しては、無料ではないが、非常に廉価な価格で提供。なので、東芝 dynabook Tab S50(10.1インチ)には有料で提供されたのだと思われる。
★タブレット/スマホ/ノートPCだけではなく、デスクトップPCに対しても提供される事が判明(ACERやマウスコンピューターから発売済み)。ただし、そうなると液晶サイズで判断できなくなるので、無料なのかどうか不明。恐らく本体の価格で判断されるのだと推測されます。各社の動向を見る限り、4万円周辺に壁がありそう。4万円を超える製品には無料で提供されない(もしくは有料でも提供されない)のだと思われる。2014/08/12その後、その4万円を超える製品も登場しました!。「ZBOX CI520 nano Win8.1 with Bing」は4万1140円(税抜)だとのこと(詳細→アスクがCore i3搭載でファンレス仕様の小型PC)
★以上の条件は、飽くまで「原則」であり、かなり流動的だと思われる。
★機能制限は特になく、Webブラウザーのデフォルト検索エンジンがBingに設定されている(メーカーが改変してはいけない)バージョンのようです。もちろん、普通のWindowsなので、購入者がデフォルト検索エンジンを変更するのは自由。(その後実際に使ってみましたが、マジメに機能的な違いは一切ない模様→#20140721)


【Windows 8.1 with Bingを使ってみた感想】2014/07/21
Windows 8.1 with Bingを搭載した、Endeavor NY40S-Bを使ってみました。

Windows 8.1 with Bingは、提供できるハードウェアの条件面ではかなり制限がキツイです。一方、OS自体の機能に関しては制限がない(Windows 8.1と変わらない)という事になっています。ですがそれは基本的に伝聞レベルの話ばかりなので、自分は半信半疑だったのです。

…という事で、実際にNY40S-Bで確認してみたのですが、少なくとも自分が気が付いた範囲では、全く違いがありませんでした。アプリケーションの互換性、使い方/細かい挙動等含めて、使う側から見ると完全に同じようです。例えば、Administrator(ビルトインアカウント)を有効にしたり、管理共有名を使うなどの、現在はMicrosoftが推奨していない操作も従来通りできました。Classic Shellも問題なく使えます(ここ大事w)。このように、制限されていても不思議ではないところもそのままなので、中身に関しては全く手を加えられていない可能性が高いと感じました。

余談ですが、これは相当思い切った決断だと思いました。なぜならば、ほんの少しの差でwith Bing対象外になってしまったハードウェアを売るPCメーカーからすれば極めて不公平なことになるからです。「全く同じOSなのに、なぜうちらは有料のWindowsなんだ」と。なので、ほんの少しでも良いので機能差があったほうがMicrosoftとしては一応の説明がつくわけですし、クレームも出にくいわけですよw

逆に言えば、Microsoftがそうしなかったのは何故なのかと考えてみると、一つにはこんな仮説が成り立ちます。将来的にはWindows 8.1は原則無料化(そしてProは大幅値下げ)するつもりだから、と。事実、現時点でその徴候は出ています。当初は9インチ未満のハードウェアに限定するという話だったのが、今では15.6インチの製品にまで提供されているなど、ものすごい勢いで制限が緩和されているように見えます。この調子ですと、制限が有名無実化するのも時間の問題な気がするのですが…。


【各社の対応】
参考までに、現時点での、各社の対応のしかたについてまとめてみました。


【東芝の場合は非常に価格的メリットが分かりにくいことになっている】
いち早く、Bingモデルの採用に動き、8インチのdynabook Tab S38と10.1インチdynabook Tab S50を投入してきました。結論から言うと、Bingになってどれほど値下がりしたのかは非常にわかり辛い事になっています。

例えば、dynabook Tab S38と、その前モデルであるdynabook Tab VT484と比較すると以下のようになります。(赤い文字のほうが優れています)
モデル S38/23M VT484/22K
発売時期 2014年6月 2013年11月
OS Windows 8.1 with Bing(32ビット) Windows 8.1(32ビット)
CPU Atom Z3735F Atom Z3740
メモリー 2GB 2GB
SSD 32GB 32GB
液晶ディスプレイ 8インチ(800×1280) 8インチ(800×1280)
オフィスソフト MS Office Home and Business 2013 MS Office Personal 2013
センサー GPS、電子コンパス、加速度センサー、ジャイロセンサー GPS、電子コンパス、加速度、ジャイロ、照度
Windowsボタンの位置 上面(物理ボタン) 前面(タッチセンサー式)
スピーカー ステレオ ステレオ
HDMI端子 ×
外形寸法 210.7×132×9.5mm 213×135.9×10.7mm
重さ 385g 445g
価格 4万円台前半予想(オープン) 5万円台前半予想(オープン)
商品ページ http://dynabook.com/pc/catalog/d_tab/140616s38/index_j.htm http://dynabook.com/pc/catalog/d_tab/131118vt484/index_j.htm
実売価格(by 価格.com) 37,686円~(2014/07/07現在) 36,000円~(2014/07/07現在)
…という感じなので、ハードウェア的には新しいS38の方がややグレードダウンしています(CPU、照度センサー、HDMI端子)。ところが、オフィスソフトはグレードアップしています。こういうアンバランスなところがあるので、Bingになったからどれだけ安くなったのかは、曖昧模糊としていてよく分かりません。定価ベースは1万円ぐらい安くなっているので、スペックを考えれば確実に安くはなっているのですが、実売価格ではむしろVT484の方が安い事もあり、VT484の方がお得感が強いです。もう少し、bingにしたことによる価格的なインパクトが分かりやすい商品を出してくれたら有難かったんですけどね。例えば、オフィスなしモデルとか(直販ONLYでも良いので)。
2014/07/11
ただし、「Bing版Windowsとオフィスはバンドル提供されているのではないか?」と疑われる現象も起きています(→http://youtu.be/pVsii893Lrk)。そうだとすれば、東芝の場合は、「Bingになったからといって、実質的に何も安くなっていない(要するに東芝の取り分が増えただけ)」、という非常に残念な結果も導き出されるのですが…orz


【エプソンダイレクトの場合は、7,000円安くなる!】
エプソンダイレクトのEndeavor NY40Sは、Bingモデルにすると7,000円も安くなる

※動画の説明:EPSON Directの場合は、非常に分かりやすいです。現在、EPSON DirectのWindows 8.1 with BingモデルがあるのはNY40Sというモデルなのですが、Windows7モデルとの差額が7,000円になっているんですね。


【マウスコンピューターの場合はまだお試し段階?】
現時点では、Windows 8.1 with Bingの扱いは非常に限定的。

※動画の説明:先日、マウスコンピューターさんの秋葉原ダイレクトショップに取材させてもらった時に判明したんですけど、実はマウスコンピューターさんって、Windows 8.1 with Bingのモデルを既に発売しているそうなんです。という事でそのモデルをWebページで見てましょう。…で、細かい説明は省きますけど、ここに出てくる機種って全て、仕様固定の即納モデルのみなのです。つまり、
http://www.mouse-jp.co.jp/express/
に載っている機種になります。
これらの機種は、カスタマイズ出来ないので、OSの種類を変更する事ができないので、Bingにするとどれだけ価格が下がるのかが分かりませんね。
ちなみに、カスタマイズ可能な本来のWebページの方はどうなっているのか、を見てみますと、Bingモデルってないんですよね~。
http://www.mouse-jp.co.jp/desktop/lma/
つまりどういう事かというと、ここでカスタマイズってやってみても、選べるのは8.1か8.1 Proかだけで、Bingの選択肢はありません、という事になってます。

…なので、Bingにすると安くなるのかが非常にわかり辛くなっています。ただし、ざっと計算してみると数千円かな、という感じですね。LM-AR311Eと、LM-AR311E-BG(即納モデル)を比べると、2,000円の違いになっていますね。

そもそも、メーカーによってWindowsの卸価格は違うわけですから、Bingにする事によってどれだけ値引きできるのかも違ってくるわけで、これが安いのか高いのかは一概に言えませんが、少なくとも、EPSON Direct NY40Sの7,000円という価格差に比べるとインパクトは弱いですね。

まあ、いずれにせよ、現状、マウスコンピューターさんは、扱いがごく限定的で、「とりあえずやってみました」感が強いですね。だいたいからして、ノートPCのBingモデルない事からも、まだ全然本腰を入れてない感が半端ないですな~w

これは、完全な憶測ですが、Windows7モデルが好調なのも理由の一端かもしれませんね。マウスさんに限った話ではないですけど、ぶっちゃけ、Windows7の方が人気があるのはかなり間違いない話で、今あえてWindows7人気に水を差すのはどうなのよ、というのもあるのかも知れませんね~。

特に、マウスコンピューターさんって、比較的ゲーミングPCの売上比率が高いメーカーだと思いますけど、ゲーマーさんにはWindows7の方が全然ウケがいいみたいですね。まあ、基本、Battle Field 4とかPSO2やるのに、Windows8は全く必要ないわけで、互換性とかの問題も含めて、何かとWindows7の方が安心らしいのですわ。

Windows7を重視せざるを得ないマウスコンピューターさんと、Bingをテコに、安さをアピールして売っていきたいEPSON Directさんとのスタンスの違いが出たのかもしれませんね~。


【Chromebookに対しては極めて有効なのではないかと】2014/12/17
2014年12月現在、「with Bing」がWindows 8の人気回復にどの程度貢献したのかについては、イマヒトツはっきりした実感は感じられないのが正直なところ。なぜならば、「with Bing」はかなり低価格なハードウェア限定で提供されるものなので、それなりに高性能なものを買おうとすると、結局従来通りの価格になってしまうからです。もちろん、ある程度の貢献はしていると思いますが、Windows 8の不人気を一気に払拭するほどのパワーがあったかというと…。

ですが少なくとも、Chromebookの対抗策としては非常に有効だと感じますね。Microsoftが特別Chromebookだけを意識して「with Bing」をリリースしたわけではないと思いますが、放置すると危険な存在になりかねないまでに期待が高まっているChromebookの芽を摘む事は出来たのではないかとw。その辺の考察は、ASUS EeeBook X205TAをチェックも参照願います。

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