Google Analytics(グーグル アナリティクス)
〜Adwordsユーザーにとっては強力ツールではあるが〜

Volume081:2006年08月08日(火)

【Google Analytics(グーグルアナリティクス)とは】

Googleが提供する、Webアクセス解析サービスです。
ところが、Googleが予想した以上に申し込みが殺到したため、発表直後に新規登録ユーザーが制限されてしまい、筆者も随分長い間利用できずにいました。
待てど暮らせど招待メールが来ないので、ほとんど申し込んだことも忘れかけていたぐらいだったのですが(^^;、ある日招待メールが到着していることに気が付き、やっとツールインサイドに設置することができました。
そんなこんなで、やっと設置したGoogle Analyticsですが、最初の感想は「え!? この程度??」という感じでしたorz。
低機能だとは言いませんが、なにしろ待たされただけに、すごいアクセス解析なんだろうと勝手に期待してしまっていたのかもしれません。


【Google Analyticsの特徴】

そもそもGoogle Analyticsは一般的なアクセス解析とはちょっとスタンスが違います。
基本的に、Google AnalyticsはWebページおよびGoogle Adwords(グーグルアドワーズ)の「パフォーマンス」を図るためのツールと言えるでしょう。つまり、そのWebページがどのようなかたちで(Adwordsでの)売り上げに繋がっているのか、もしくは売り上げを向上させるにはどうすればいいのかを分析するためのツールです。
ですので、(Googleが提供するアクセス解析であるにもかかわらず)検索エンジンごとの傾向の分析や、実際に訪問者にはどのような検索結果画面が表示されているのかまでは分からなかったり、分かりづらかったりします。
一方、特徴的なのは、訪問者がどのような行動パターンを取っているか(ページの遷移/離脱率/平均閲覧時間等)などの情報が見れること。

【行動パターン分析】


↑ツールインサイドのVol.61のページを訪れた訪問者の、その前後のページを表示している状態。
これを見ると、
・圧倒的に検索エンジンから訪問する方が多い
・トップページからたどって訪れる人はごく少数
・Vol.61に向けて関連ページとしてリンクを張っているページ(この場合、Vol.72が該当するのですが)からの訪問者は更に少数
であることがわかります。
そもそも、ツールインサイドのようなごく単純な構造のサイトだと、閲覧者の行動パターンは自ずと限られてくるのであまりいい例になっていませんが、ショッピングサイトなどの場合、これらの情報を丹念に追跡することにより、閲覧者の興味対象やナビゲーションの問題点を分析可能(かもしれない)です。

【離脱率/平均閲覧時間】


離脱率/平均閲覧時間を見ることができるアクセス解析はあまり多くないので、これは評価できますし、実際役に立ちますね。


【Google Analyticsの評価】

Google Analyticsは、Google Adwords(グーグル アドワーズ)に出稿しているかどうかによって180度評価が違うと思います。
筆者はGoogle Adwordsに出稿していないので詳しくはわかりませんが、Google AnalyticsはGoogle Adwordsに出稿したキーワードがどの程度売り上げに貢献しているのか、どのページが貢献しているのかなどが分かるようになっています。ですので、厳密に対費用効果を把握し、よりよいキーワードを選択する手助けになります。
ですので、Google AnalyticsはAdwordsのパフォーマンス測定ツールとしては非常に強力なツールだと思いますが、純粋にアクセス解析サービスとしてだけ見た場合は特別高機能とも言えないですし、使いやすいとも言えないと思います。
筆者は、勝手に「アクセス解析はこれ一本でOK」的なものを想像していただけにちょっと期待外れ。Google AnalyticsはもともとUrchinという有料サービスをベースに開発されたものですから、無料のアクセス解析では不可能ないろいろな分析ができるものだと思っていたのですが、さにあらずでした。

ということなので、Adwordsユーザーはともかく、非Adwordsユーザーがアクセス解析としてわざわざGoogle Analyticsを選択する理由はほとんど見つかりません。
忍者ツールズ アクセス解析(http://www.shinobi.jp/)、
Access Analizer(http://ax.xrea.com/login.php)等、
優れた無料サービスがあります。
広告が表示されないというのは大きな魅力ではありますが、正直、Google Analyticsだけだと、アクセス解析用の情報が少なすぎてあまり役に立たない気がします。
個人的にはAnalyticsの扱いは、ないよりはマシではあるけれども、結局他のアクセス解析との併用は欠かせないです。
となると、結局2種類のアクセス解析を設置しなければいけないということであり、その分余計にページの表示に時間がかかるようになるということも意味するわけです。それとのバランス次第では撤去の憂き目をみることもあり得る、程度ですね。←今のところ、Analyticsを入れたことによりページが重くなった感じは特別しないので設置していますが。
最後に、メリットとデメリットをまとめましたので参考まで。

【Google Analyticsのメリット】

Google Adwordsの強力なサポートツール 前述の通り、Adwordsユーザーにとってはなくてはならないツールと言えるでしょう。
広告が表示されない 無料のアクセス解析サービスはまず例外なく広告が表示されますが、Google Analyticsは一切広告は表示されません。
設置が簡単
(ブログ向き?)
アクセス解析を行うには、アクセス解析用のスクリプトをページに埋め込みます。
その際、ページ毎の情報を識別するために、ページ毎にスクリプトに与えるパラメータを変更しなければなりません。
それがほとんど常識化しているのですが、Google Analyticsは意外なことに同一のスクリプトでOK。
それだけで自動的にページ毎に集計してくれます。

余談ですが、この特性(全ページ共通のスクリプトでOK)を利用すれば、仕組み的にページ毎に埋め込むスクリプトを変更できないブログでも、ちゃんとページ毎にデータを集計できるということなのかもしれません。(試していませんが)

【Google Analyticsのデメリット】

動作が遅いことがある 新規ユーザーを制限しているだけあって、お世辞にもサーバの反応が軽いとは言い難いです。
とは言っても、まあ許容範囲というところですが、忍者ツールズの軽快さに比べると明らかに見劣りします。
リアルタイムに反映されるわけではない 反映までに数時間程度かかるようです。
Google Analyticsの性格を考えれば、これはさほどデメリットとは感じませんが。
リンク元URLを追跡する機能がない 筆者が使い方を間違っていなければ、ですが、リンク元URLを追跡することができません。
つまり、どのようなキーワードで訪問したかは分かっても、どの検索エンジンのどのような検索結果画面から訪問者が訪問したのかがわかりません。
このようなごく基本的な機能さえ持っていないのは、Google Analyticsはアクセス解析サービスではなく、やはりAdwordsのパフォーマンス測定サービスであることを如実に物語っています。
分かりにくい 普段からアクセス解析サービスを使い慣れている筆者でさえ、わかりにくい専門用語の連発で、何をどう使えばいいのか非常にわかりにくいです。そもそも最初は画面に表示された情報やグラフの意味がさっぱり理解できなくて苦労しました。
せめて、もうちょっとHELPを充実させて欲しいところですね。
ちなみに、本格的にAnalyticsを活用するならば、「Google Analytics入門 簡単・無料ソフトで始めるWebマーケティング」 みたいな書籍を購入しないと難しいかもしれませんね〜。
(そういう難解さがある時点でかなりマズイ気がしますが^^;)


【関連リンク】

グーグル、ウェブ分析サービス「Google Analytics」を公開へ↓
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20090795,00.htm
Google Analyticsトップページ↓
http://www.google.com/analytics/ja-JP/
ツールインサイドVol.067(忍者ツールズ アクセス解析)↓
http://www.sd-dream.com/toolinside/vol067.html

忍者ツールズ アクセス解析↓
http://www.shinobi.jp/
Access Analizer↓
http://ax.xrea.com/login.php