BitTorrent(ビット・トレント)
〜海外ではもう常識? 巨大ファイルの配布手段〜

Volume048:2005年7月4日(月)

BitTorrent(ビット・トレント)。
分かりやすく言えば「ファイル共有ソフト」とか「P2Pソフト」と言われている分野のソフトです。
日本ではファイル共有ソフトというと、Winny(ウィニー)が有名で、ダークなイメージがつきまといますが、海外では既にこの手のソフトの商用利用が本格的に始まっています。
実際、筆者がBitTorrentをはじめて知ったのは、米Lindows(現Lispire)社の無料LindowsCDがきっかけでした。このCD(当然ISOファイル形式ですが)は、ftpサーバでは配布されず、BitTorrentのみで配布されていました。
そこで必要に迫られてBitTorrentクライアントをインストールしたのがそもそものきっかけでした。
当時は、海外においても珍しいケースだったようですが、今ではごく当たり前の手法として定着している感があります。
例えば、海外のゲーム会社は体験版(*1)をBitTorrentで配布していたり、各種Linuxディストリビューションの無料ダウンロード版などは、そのサイズの大きさから、すでにBitTorrentの方が主流になりつつある感じさえあります。

ユーザ側としてもBitTorrentでのダウンロードは非常に楽です。
なにしろダウンロードが格段に早い。
時間的に言うと、ftpでダウンロードする時間の2分の1以下で済むことが多く、場合によると10分の1で済むことさえあるように思います。
とは言え、BitTorrentは万能ではありません。
ftpサーバに置いてあるファイルは、削除されない限りダウンロード可能ですが、BitTorrentでダウンロードできるかどうかは、極端な話時の運です。
BitTorrentはダウンロードする人が多ければ多いほどファイルが見つかりやすく、ダウンロードも早くなる仕組みになっているので、人気があるものならばほぼ確実にダウンロードできますが、人気がなくなってくると急激にダウンロードしづらくなったり、ファイルが見つからなくなってしまいます。
この辺は、ftpサーバ方式とは決定的に性格が違いますし、他のP2Pソフトと比較しても、まるでミュージックチャートのごとくあっという間に様変わりするファイルの栄枯盛衰(?)の激しさはBitTorrentならではのものでしょう。
このような使いづらさはあるもののBitTorrentが実際に使われているわけは、「なるべく短期間で多くの人に配布したい」場合はBitTorrentが絶大な威力を発揮するからでしょう。

【BitTorrentクライアントのインストール】

ところで、BitTorrentを使うには、(ポートの解放はおいておいて)BitTorrentクライアントというソフトをインストールしなければなりません。
BitTorrentクライアントは非常にたくさん種類がありますが、BitTorrentで流通しているファイルをダウンロードできるようにするためのソフトなので、特別画面を操作したりということはありません。乱暴なことを言ってしまえばなんでもいいんです(^^;
筆者は単純に一番一般的でシンプルな(気がした)BitTornade(ビット・トルネード)を使っていますが、特別理由があるわけではありません。

↓クライアントの紹介
http://www.geocities.co.jp/Technopolis/6399/contents/client.html
↓BitTorrentでファイル共有
http://www.genie.x0.com/gtl/help/torrent.html
等を参考に好きなBitTorrentクライアントをインストールしてください。
あとの問題は、ファイアウォールやルータを使っている方はポートを解放しなければなりません。
ポートを解放する方法はご使用のパソコンのネットワーク構成や使用しているウィルス対策ソフト、OSによっても違ってきますので一概に言えません。

↓「BitTorrentの導入」内FAQ
http://super-play.net/bit_torrent.html#faq2
↓「BitTorrentクライアントが使用するポートを空ける」
http://www.sd-dream.com/pasocompass/050202XandrosDL.html#PortForwarding
等を参考に設定してください。


*1:ゲームの体験版
一口に「体験版」と言っても結構バカにできません。
日本で「体験版」というと、「機能制限版」という意味合いが強いです。当然、発売しているもの(完成しているもの)をベースにプレイできるフィールドが極端に制限されているとか、時間制限がある等のケースが多いです。
ところが、海外では体験版がリサーチ目的でリリースされることが多いです。つまり、互換性の検証、メディアに対する先行CM、プレイヤーへの受けをみて最終製品にフィードバックする等々の目的です。
なので、開発途上のものをベースに作成されるケースが多いのも確かなのですが、プレイしてもらうことを目的に作っているだけにボリュームはかなりのもので、相当やりがいがあります。
1ラウンド分全てプレイできるとか、凝ったものになると、体験版でしかプレイできないオリジナルフィーチャーが用意されているものさえあります。ここまでくると、もう「体験版」というより「外伝」といった方が適切?
言葉の壁はあるものの、レースとかアクションならば、特別言葉が分からなくても十分楽しめます。
また内外のゲームのデモやパッチを日本語で解説したサイトもありますので、参考まで。
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/demo/