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2009/09/24

MTとWordPressの違いについて考察

●MT(Movable Type)を使ってみた感想
●WordPressを使ってみた感想
で書いたとおり、結局どちらとも落選という感じではあるのですが、プログラムの仕組みに関してはなかなか興味深いものがあります。
そして不思議なことに、外見的にはどちらもブログ構築システムという意味では同じ種別のWebシステムでありながら、中身の仕組は随分違うんです。その辺に着目して違い(アフィリエイト的にどのような違いを生むか)を考えたことを備忘録的に書き留めておきます。
実際、自分もできればこういうところこそ事前に知っておきたかったところですし、知ることができていればかなり検証の時間が節約できたと思うのですが、残念ながらその辺のことを分かりやすく解説したページは見つけられませんでした。ですので、同じ不便を感じている方にとって少しは参考になるのではないかと信じます。
ただし、なにぶんにもそれぞれのシステムについて知識が浅いので相当推測も入っていますし、間違いも多いと思われます。飽くまで「備忘録」ということで、その辺はご了承ください。

スタティックなMTとダイナミックなWP

プログラマー的感覚で比較すれば、WPの方が美しいと思いますし恐らく柔軟性にも優れていると思います。
ところが、アフィリエイト的に考えるとWPはダイナミック過ぎる感じがあります。基本、WPはPHPで作られたプログラムなのでページがスタティックではありません。例えば、"www.…/?p=1"みたいな形のURLになります。
少なくとも、一昔前までは、こういうダイナミックなページはクロールされにくいと言われていました。既にそれは都市伝説と化していると自分は思いますが、何かと動きがダイナミックな挙動をするPHP等のプログラムで作られたサイトは、検索エンジンにとっては原理的にやっかいな存在であることには変わりありません。ですので、不利になることが全く無いとは言い切れません。
決定的な差とは言えないと思いますが、スタティックにHTMLファイルが生成されるMTの方が「余計な心配をしなくて済む」ぐらいの心理的メリットはあると思います。

集中管理型のMTと分割統治型のWP

MTとWPではサイトの管理の仕方がかなり違います。(特にDBの扱いが)
MTは、一つのプログラム(管理画面)でサイトを集中管理します。そして、それぞれのサイトからDBへアクセスすることはありません。
MTの管理単位


一方、WPの場合はサイト毎に管理画面とDBがあり、それぞれが独立しています。逆に言うと、複数のサイトを集中管理する親玉的存在はありません。
それぞれのサイトが管理画面とDBを保持しています。また、ページを表示する際、ページの内容はDBからオンデマンドで読み出してきます。(PHPのプログラムが動作している)
WPの管理単位


まとめ

以上の話を踏まえた上で、両者の特徴を表にまとめてみると、こんな感じになるのではないかと思います。
CMSシステム MT WP
ページの軽さ(どれだけ軽快にブラウザで表示されるか?) 全てのページが予め静的に生成されるので、純粋にページを読み込んで表示するだけ。 常にDBへのアクセスが発生する&PHPが動作しているので、サーバーのCPU資源を消費する。
当然、ページの動作は重くなる。
スケーラビリティ(規模が大きくなったときに大丈夫?) ×サイトが大規模になってくると、再構築の処理に相当時間がかかるようになると思われる。←よく分からないが、レンタルサーバーでは再構築処理に時間がかかりすぎてタイムアウトになってしまうなんていうことはないのだろうか? ちょっと心配。 サイトのページの情報はDBのアクセスで得ているので、サイトのデータが多くなる事によるスピード低下は極少であるはず。
ディスク効率(容量が小さいレンサバ使っている場合は注意が必要) ?(場合による)原理的には、何でもかんでも予めページを生成するMTは、相当ディスクを消費すると考えられる。
ただし、ミニブログアフィリエイトの場合はWPの方が不利かも知れず。
なぜならば、ミニブログアフィリエイトの場合、小さいサイトを大量生成するわけで、システムプログラムが一つで全サイトを管理できてしまうMTの方が結局省スペースかもしれないからです。
異なるバージョンの混在 ×ただし、別のフォルダにもう一つMTをインストールし直せばOK。 フォルダ毎に独立しているから全く問題ないと思われる。
オーソリティサイト方式のアフィリエイトに向いているか? 大規模なサイトは苦手なのかも知れないので。 大規模なサイトに向いていると思われるので。
ただし、オーソリティサイトを目指すのであれば、XOOPS、Plone、Wiki、完全自作などの候補もあり。
ミニブログ方式のアフィリエイトに向いているか? ディスク効率の点でも、管理のしやすさの点でも向いているのではないかと。 若干、ミニブログのような小規模なサイトを構築するにしては大袈裟かもしれず。
特に、新しいサイトを作る毎に、ftpでシステムを新しいフォルダに転送しなければならないのが面倒。(MTの場合、管理画面からブログの新規作成を行えば、ほんの数十秒で新しいブログが作れてしまう)
他方式への切り替え易さ(何らかの理由で、「や〜めた」となった場合に、既に作ったページの情報はどうなる?) 生成した結果が全てHTMLファイルとして残るので、原理的には、完全にサイトのデータの保存が可能。
もちろん、データの編集/統合/移植等、何でも自由自在に行える。
サイトの元データは、全てDBで管理されておりスタティックなレンダリング結果はない。
なので、サイトの情報を失わないためにはDBをバックアップしなければいけないのだろうと思われる。