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2009/09/17→09/18[多少加筆]→09/20[更新Pingがうまく行かないようです]

MTを使ってみた感想

かなり出遅れ感はあるものの、MT(Movale Type)にチャレンジ中です。ということで、現時点での感想(というか備忘録)を書いておきます。
ただし、MTの基本的な解説や使い方は書きません。その手のページは他にいくらでもありますし、日記形式で紹介して分かりやすいものでもないので、そういうことは検索エンジンで他ページをお探しください。
基本、自分の用途に使えるか使えないかを判定してみた経過を報告する形になるのではないかと思います。

いきさつ

MTの存在は、ずいぶん前から知っていました。ところが、当初はあまり興味がありませんでした。なぜならば、少なくともアフィリエイトには使い物になるとは思っていなかったからです。
何故かというと、SEOの面で相当不利な立場になってしまうからです。細かい理屈は書きませんが、現象として確実にそうだと思います。
ある程度のアクセスを確保できているブログをMTに移行するのならば話は別ですけど、最初からMTというのはあまりに危険過ぎるからです。
…ですので、ある限定的な状況下ではMTやWordPressも使い物になるのかな、という気はしていましたが、逆に一時的なブームで消えてしまう可能性も決して低くないと思っていました。

ところが、聞くところによると、最近はそれほど集客の面で差がない、という話も聞きます(鵜呑みにはできませんが、少なくとも以前に比べれば差が縮まっているのは多分本当)。そして最近のMTはCMS的な機能も充実して来ている、との噂。つまり、Webサイトを構築できると。
それならば話は別です。もともと、Webサイトとブログを統合できないかと考えていた自分なので、モノは試しと思って使ってみました。

インストールは超簡単

インストールは驚くほど簡単でした。
MTはSQLデータベースを使うので、その辺のめんどくさい設定が必要なのかと思ったら、そんなことは全くなく、「MovableTypeの設置」を見ながらやったら30分ほどで終了!
あまりにあっけなく済んでしまいました。なんてこった。こんなに簡単ならば、もうちょっと早めに試しておけば良かった。

MTはオープンなシステムではない

WikiやWordPressと大きく違うのは、MTはオープンなシステムではないこと。飽くまでSix Apartという会社が開発/販売する商品であり、基本は有料のシステムです。とは言え、普通に使う分には(というか本格的に使う分にも)全く問題ない無料版があるので、簡単に始められるという意味では大差ないですからご心配なく。
また、一つの会社によって製品がコントロールされているので、クローンとか派生バージョンとかがないので、何を使えばいいのか迷わなくて済むのもいいですな。(これは、細かいニーズに対応しきれない可能性があるという意味でデメリットでもあります)

やっぱり基本はブログ。Webサイト構築には向かず

ざっと一日かけて使ってみただけですけど、MTはまだまだブログ構築システムの域を脱していないと思いました。残念ながら、Webサイトを構築するという用途には向いていないな、と感じました。
もちろん、やって出来ないことはないですけど、そうなるとMTの枠から外れてしまうので途端に使い勝手が悪くなります。だったら、「始めから手作りでWebサイトを構築した方が速いんじゃないの?」という感じです。
そういう意味では期待外れでした。

何に向いているか?

ただし、MTに魅力がないとは思いません。
今回はMTにWebサイトを構築する能力を期待してしまったので、イマイチ使えないという結論になってしまいましたが、そういう用途ではなければいろいろ使い道はあると思いますし、人気がある理由も分かります。
自分なりに、どう使えばアフィリエイトに有効なのかを分析してみると、以下の様な事になるのではないかと思います。

ブログを量産する

ミニブログを大量に作ってアフィリエイトする人。
やりかたにもよりますけど、無料ブログサービスを使って量産するより、MTで量産した方が遙かに効率化される場合もあるのではないかと思いました。

デザイン生成システムとして使う

予め、いろいろな「スタイル」が用意されていて、自由にサイトのデザインを変更できます。

最初から用意されているデザインは少ないですが、第三者が作ったテンプレートも公開されていて、探せばいろいろあるようです。
そして大事なのは、生成結果がスタティックなHTMLファイルとして出力されるということ。(Wikiのように、画面のレンダリングがリアルタイムに行われるわけではない)
なので、その生成されたファイルをいろいろ加工したり、そのツクリを研究して、自分のWebサイト作りに生かすことができます。

Webサイトって、イチからつくると恐ろしくめんどくさい。それこそCSSファイルをどこに置くか、フォルダ構造をどうするかから考えなければいけませんし、画像を用意したりとかスタイルシートを設計(これが結構難しく、いろいろなブラウザいろいろな画面サイズで表示されることを考えると相当深い知識が必要)したりとか、結構時間がかかりますから。
それに比べると、基本的な構造(論理的構造/見た目的構造)を最初から作ってくれるので随分楽になります。とりあえず気に入ったデザイン(もしくは、後から加工しやすそうなデザイン)で生成し、それを叩き台として自分なりに改良するというやりかたの方がずっと簡単だと思います。

まとめ

まだまだ勉強を始めたばかりですので、誤解している部分も間違いなくあると思いますが、現時点での自分の理解は、
・Wikiよりはかなり使いものになりそう
・ただし、アフィリエイトに本格的に活用できるかというと、かなり未知の部分が多い。今のところは、代替策がいくらでもありそうな感じもするので、慌ててMTを導入する必要はなさそう(逆に、じっくり勉強/検証してからでも遅くない)

という感じでしたね。

よくよく考えてみたら、どちらかと言えば、MTとかWordPressのようなブログメインのシステムよりも、XOOPSとかPloneのようなWebサイト構築システムの方が自分の用途に向いているのではないかと、今さらながら気が付いてしまったり。(^^;

実はMTの「仕組み」が一番興味深いかも

そんなこんななので、MTは飽くまで「選択肢の一つ」という存在以上でも以下でもなしという感じ。ただし、一つだけ他と比べて突出していることがあります。
それは、アフィリエイター利用率が非常に高いCMSである(多分)ことだと思います。普通、アフィリエイターは、集客のしにくいシステムは使いません。この事実は何を意味するかと言えば、MTは原理的にWebとの親和性が高いのではないかと思われるんです。そして、MTを開発するSix Apartもアフィリエイターのニーズを相当重視して開発しているに違いない気がします。
実際、MTは生成結果が*.HTMLという形で静的に生成さます。他のCMSは*.CGIとか*.PHPになるものが多いと思いますので、それに比べると、検索エンジンに拾われやすいと思われます。(今時、そんなに大きな違いがあるとは思えないのではありますが)。
いずれにせよ、生成されるHTMLファイルの中身も含めて研究してみると、非常に面白そうな結果が出てきそうな予感がするんですよね。

更新Pingがうまく行かないようです

更新通知の設定をすることによって、更新Pingが
打たれるようになる
う〜ん、どうも更新Pingがうまく行かないようですね…。
もともと、右図のようにMTには更新Pingを打つ機能が備わっているのですが、設定してみると、確かに更新Pingは打たれているようではあるのですが、そのPingがちゃんと処理されていないようです。(Pingサーバーに弾かれたり無視されたりされているっぽい)
う〜ん、嫌な予感はあったんですよね。経験的には、更新Pingって結構難物であることが分かっていますから。
何故かというと、規制が厳しかったりPingサーバーの仕様/挙動が気まぐれに変更されたりするので、何かの拍子に途端にうまくいかなくなってしまうことも多いんです。…にしてもこれだけ全滅というのも珍しいけど、どうなってるんだ??

飽くまで個人的な意見ですが、更新Pingが打てない独自ドメインブログなんて箸にも棒にもかからない存在です。
レンタルブログならば、更新Pingを打たなくても、もともとのレンタルブログサイト側の仕組みの中で自然と露出が上がっていくものです。レンタルブログしか知らない人はレンタルブログサイトの有り難みが分からないと思いますが、そういう後ろ盾がない独自ドメインのブログは、とっても大変なんです。自分から宣伝しないと1アクセスたりとも稼げないです。
もちろん、宣伝する方法はいろいろありますが、まずは更新Pingが基本中の基本であり、そこが全く機能しないというのは致命傷にも程があります。
試しに、MT側からではなくBlogWrite(ブログクライアント)側から更新Pingを送ってみたりと、いろいろやってみたものの、ぜんぜんうまく行かないですね。
参りました。これでは全く使い物になりません。いろいろ情報をネットで調べてみましたが、詳しいことが載っていないですね…
Wiresharkでプロトコルを解析してみようかとも思いましたが、はっきり言って、こんなごく基本的な部分でこんな調子では、MTが使い物になるのはいつになる事やら、という感じ。なんだかばかばかしいです。だったら、普通にseesaaとかFC2の無料ブログをレンタルした方が遙かに効率がいいです。
事情はよく分からないものの、MTは思ったほどの実力ではない気配がしてきました。他人の評価というのは結構アテにならないものですな。まあ、だかこそ、自分で確かめる必要があるんだけど。
もちろん、もうちょっと使いこなせば違うのかも知れませんが、少なくとも現時点ではMTに深入りするのは時間の浪費に繋がりかねない危険性を感じますし、他に選択肢がないわけでもないので、MTにこだわる動機もない。
アフィリエイトとしての道具として考えると、まずは検索エンジンに速くクロールしてもらえるシステムであることが大前提です。そこをクリアして初めて機能や使い勝手の話ができます。申し訳ないけど、MTはそういう先の話が出来ない状態です。
もともと、MTを第一候補にしていたのは、Webとの親和性が高いと踏んでいたからで、そうではなさそうだということが分かってしまった以上、残念ながらMTは落選です。
…ということで、第二候補のWordPressを試してみようかと思っています。


【補足】あくまで、「アフィリエイトとして使う場合」には落選だということだけで、純粋に自家製ブログを作るシステムとしてだけ考えれば、非常に良くできていると思いましたよ。一応念のため。