Partition Savingで行うシステムバックアップ その3
〜パーティション構成の変更〜

Volume074:2006年4月26日(水)
次は、パーティションの削除→再作成の作業です。
まずは、vol.072で作成した、WindowsXPセットアップ起動ディスク(6枚セット)を使いますが、その前に、WindowsXPをお使いの方はWindowsのAdministratorのパスワードを確認しておいてください。(作業時に必要になります)

WindowsXPのセットアップを起動すると、以下のような画面が出てきます。

Rキーを押して、修復モードに入ります。(いわゆる修復コンソールを起動するということです)

キーボードの選択画面が出ます。お使いのキーボードの種別を選択します。

…が、この画面で日本語キーボードを選択しても、なぜか英語キーボード配列になってしまいますので、記号等の入力には注意してください。
キーボードを選択すると「よろしいですか?」と確認画面が出ますので、Yを押して先に進んでください。

回復コンソールへのログオン画面が表示されます。

※「どのWindowsインストールにログオンしますか?」という、明らかに誤訳っぽい日本語はともかく(^^;、ここで1を入力します。
すると、Administratorのパスワードを要求されますので打ち込んでください。
パスワードが正しければ、"C:\WINDOWS>"という行が出てきます。↓


ここからdiskpart(パーティションの構成変更プログラム)を起動します。上の画面の状態で、diskpart[Enter]でdiskpartが起動します。

↓diskpart起動画面

白く選択されているのが今回パーティションを切り直すパーティションです。この画面は非常に分かりにくく、また、この画面で割り当てられているC:、D:などのドライブレターは、普段WindowsXPを使用しているときのドライブレターと同じとは限りません。今回はディスクのサイズが違うので判別しやすいですが、同じモデルのディスクHDDが2台繋がっていたりすると非常に判別しづらいので、くれぐれも慎重に行ってください。
さて、C:を一旦削除しますので、C:を選択した状態(上写真の状態)でDキーを押します。

確認画面

Enterを押して次の画面へ。

再度確認の画面

Lを押して削除します。

画面が戻り、先ほどC:だったところが、「未使用の領域」になります。

ここに再度、パーティションを切り直しますので、C(パーティションの作成)を押します。

パーティションサイズの入力画面。

デフォルトの値として、最大値(このディスクの場合12935)があらかじめ入っていますが、今回は、サイズを変更します。
例えば、7000(7G)ぐらいにしておきましょうか。

7000を入力してEnter。

約7Gのパーティションが作成され、C:に割り当てられました。
これで作業は終了です。
Escキーを押すと、コマンドプロンプトに戻ります。exit[Enter]でパソコンがリブートされます。



補足:ここでは、パーティションの作成だけでフォーマットは行いません。もちろん、フォーマットをしてはいけないわけではないのですが、筆者の経験から行けばフォーマットの必要はありません。
あくまで「経験則」であり、理論的根拠はあまりないのですが(^^;、formatコマンドなどで行われるディスクのフォーマットは、ファイルシステムをつくっているだけだと推測されるからです。(DOSやWindowsが行うディスクのフォーマット処理の詳細を知らないので絶対とは言いませんが)。それらの情報は、バックアップファイルをリカバリしたときに上書きされる部分ですので作成する意味がありません。
恐らく、同時に不良セクタの検出なども行っているのでしょうが、よほど信頼性の低いハードディスクでなければ全く問題にはなりませんし、そもそもそれほど致命的な不良セクタがあるディスクならば、もともと入っていたWindowsがまともに動いているはずがないからです。
それともう一つ、商用のパーティションバックアップソフトでは、例えばFATパーティションに無理矢理NTFSのパーティションを展開してNTFSに変換してしまったり、パーティションさえ切られていないまっさらなディスクに展開するなどということもごく普通に可能です。
ここには、フォーマットどころか、パーティションを作成するという処理さえないわけで、それでも全く問題ないからです。


さて、これでパーティション作成は終わりましたが、このパーティションにリカバリする前にやっておかなければならないことがあります。
@ ファイルシステム属性を設定
A アクティブ属性を設定
という2つの作業です。
@は、Partition Savingの制限で、リカバリ元と先で同じファイルシステムでなければリカバリできないためです。ですので、今回はNTFS属性を設定しますが、これはリカバリするOSがWindowsXPだからであり、例えばWindows98だったらFAT32になるわけです。
Aは、WindowsのMBR(DOS-IPL)は、アクティブ属性がついていないパーティションは、電源ON後の起動ドライブのサーチ時に無視されてしまう(つまりそのドライブからは起動できない)からです。この辺、いい加減改善して欲しいな〜。
まあ、理屈はともかく、これらの作業はMBMというツールを用いて行います。
MBM(Multiple Boot Manager)は、名前の通り、本来はマルチブートを実現するためのツールです。つまり、IPL(Initial Program Loader)の一種で、MBR領域に書き込んで使うものですが、今回はそういう使い方ではなく、パーティションテーブルエディタとして使います。

まずは前準備(Vol.072)で作成したDOS起動ディスクでパソコンを起動します。


mbm edit[ENTER](MBMをエディットモードで起動)


MBM 起動画面

この画面では、画面下に説明があるように、いろいろなパーティションテーブルの編集が可能です。
今回は、Spaceを押して、当該のパーティションをアクティブにします。
アクティブにすると、数字が緑色になります。↓

今回はやることはこれだけ。
ESCキーを押すと、確認メッセージが出ます。↓

The parameters have been modified.
Do you wish to write changes?
(パラメータは変更されました。変更を書き込みますか?)
と出ますので、yキーをおしてMBMを終了します(コマンドプロンプトに戻ります)。


補足:今回の作業では、初めからパーティションの属性が"HPFS/NTFS"になっているので、パーティションをアクティブにするだけの作業でした。
「フォーマットをしていないのに"HPFS/NTFS"とはこれいかに?」という感じなのですが、恐らくdiskpartプログラムはパーティションを切った際にデフォルトの属性を設定する仕様になっているのでしょう。
ここにHPFS/NTFS(つまりはOS/2、NT、Windows2000、WindowsXP)をリカバリするならばこのままでいいのですが、例えばこのパーティションにWindows98をリカバリする際は、そのままだとNGです(Partition Savingでリカバリ先のパーティションに指定することができない)。
PageDown/PageUpキーを押して、適合するパーティション属性に変更しなければなりません。



●関連リンク●

↓Partition Savingダウンロードページ(本家)
http://www.partition-saving.com/en/index_frame.html
↓Partition Savingダウンロードページ(英語が苦手な方はこちらから)
http://www.altech-ads.com/product/10000137.htm
↓Partition Savingの使用例
http://j7p.net/backup/howto_savepart.html