HDD Health
〜HDDが故障する時期を予測!?〜

Volume062:2006年2月17日(金)

HDD(ハードディスクドライブ)というのは、ある日突然壊れるものです。
壊れる前に、HDDが異音を発するようになったり、異常にディスクの読み書きが遅くなったりといった予兆が現れることも多いですが、本当に何の前触れもなく突然壊れることもあります。実際、筆者は過去に4〜5台はHDDの故障を経験していますが、全く予兆がなく、気が付いた時には「時既に遅し」ということが一度ありました。
HDDの故障は怖いもので、大事なデータが一切失われてしまうのですから、全く予期しないときに発生するとその損失ははかり知れません。
「HDD Health」はそのような最悪の事態を回避できるかもしれないソフトです。
いわゆるHDDのSMART情報(HDDが自分の状態を累積的に記録している情報)を読み取ってくれるソフトですが、SMART情報を読み取るだけならば、わざわざHDD Healthのような専用ソフトを使わなくても、「EVEREST Home Edition」などの汎用的なソフトでも可能です。

↓EVEREST Home EdtionでSMART情報を見たところ


ですが「HDD Health」は単にSMART情報を読み取るだけではありません。システムに常駐し、SMART情報の値の変化を監視し続けることができます。
HDD Healthは、値が時間の経過に従ってどう変化したかを監視することによって、HDDが故障する時期(しきい値以下になる時期)を予測するという仕組みになっています。
もちろん、統計学的/数学的な計算で導き出しているだけであり、実際のHDDの故障はそうそう計算通りにいくはずがないわけですが、まあ、気休め程度にはなるのではないかと。

「Nearest T.E.C(Threshold Exceeded Condition)」というのが、予測日です。このケースでは2006年6月8日となっていますが、これは計測期間が短いのでまだ正確に予測できていないためです。


【もう一つの有り難い機能】

また、故障時期予測とは別に、現在のSMART情報の「診断」もしてくれます。
EVERESTなどは、読み取ったSMART情報をどう判断するかは読み手に任されています。一応、上図の例では、"Power-On Time Count"に×マークが付き、「忠告:使用法または期限が超過しています」と出ているので、要注意であることは分かるものの、説明が漠然としていてよくわかりませんよね。
一方、HDD Healthはこのような文章が出ます。

Power-On Hours attribute is very low! Your hard drive can die very soon. Don't forget to backup your data.
日本語訳:Power-On Hours(稼働時間)属性が非常に低いです。ハードディスクが間もなく故障するかもしれません。データのバックアップを忘れずに。
超意訳:稼働時間が非常に長いので、モータがいつイカれてもおかしくない時期です。

また、別のHDDではこんなメッセージも出ました。
Hard drive temperature is 49 ℃. This temperature is not critical but it is time to think about additional cooler for your hard drive.
日本語訳:ハードディスクの温度は49℃です。致命的ではありませんが、ハードディスククーラーの追加を考える時期です。
超意訳:ディスクの温度が高いので、いわゆるクラッシュ(ヘッドがディスク面に接触してしまう)の確率が高くなります。温度は低めにネ。
英語という不便さはあるものの、それほど難しい英語ではないので、だいたいはわかるのではないでしょうか。
何よりもSMART情報の意味を知らなくてもいいのが有り難いです。

…ところで、上記の「稼働時間が非常に長い」と警告されているHDDは今どうしているかというと、全然問題なく動いています。
というより、もう半年以上前からこの警告が出ていますが、特別問題なくフツーに使えています。(^^;
くれぐれもよい子は真似しないように



●関連リンク●

↓HDD Health v2.1 Build 159ダウンロードページ
http://www.panterasoft.com/index.html