(AVG集中連載 part4)
ウイルスが見つかったときの対処法

Volume043:2005年02月07日(月)

さて万が一ウイルスが見つかったときにはどうすればいいのでしょうか?
これは、ウィルスの種別によって対処方法が多少違うので一概に言えませんが、試しに、「AVG for Workstation Reference Guide」にも載っている、eicarのテスト用ウィルスを使って実際にやってみましょう。

1.まずは、eicarのサイトから、テスト用ファイルをダウンロードします。今回は、eicar_com.zip(圧縮済みファイル)をダウンロードします。

ダウンロードしたファイルをパソコン上で解凍しようとすると、AVGがウィルスを検知し、以下のようなダイアログが出ます。

それぞれのボタンを順番に説明します。
?ボタン Continue(続行) Info(情報) Heal(治療) Delete file(ファイル削除) Move to Vault
ヘルプを表示します。 何もしないで、処理を続行します。 検出したウィルスの名前やどういう活動を行うウィルスなのかを説明します。 検出したウィルス(だけ)を除去します。
つまり、感染していない部分は残す努力をします。
感染しているファイルを丸ごと削除します。 感染したファイルには手を加えず、そのファイルをVirus Vaultに移動しウィルスの活動を禁止します。
ウィルスの種類によって「Delete file」は出来ても、「Heal」は不可能だったりしますので、まずは「Heal」を試してみて、ダメでしたら「Delete file」を試してみるのがいいと思います。
「Move to Vault」は(本当に削除してしまっていいものか自信がないなどの理由で)あえてそのファイルを取っておきたいというケースに使います。もちろん、Virus Vaultに格納されたファイルはウィルスの活動が禁止されるので安全なはずですが、精神衛生上あまりよろしくないです。
ですので、わからないから何でもかんでもVirus Vaultに入れちゃうというのはお勧めしません。
「Continue」は、ウィルスの除去をしないでそのまま処理を続行してしまいます。特別な理由がない限り、いたずらにContinueをすると危険ですので注意してください。


【最後に】

AVGの連載はとりあえず今回で終了します。
AVGは無料で使える本格的なウイルス対策ソフトです。無料とはいえその実力は決して侮ることはできません。ですが、もちろん諸手を挙げてAVGを勧めるわけではありません。
あえてAVGのデメリットを挙げると以下のようになります。
日本語版がない これは致し方ないです。
AVG6のころは有志が作成した日本語パッチがあったので、AVG7用もそのうち出るとは思いますが、現状は、有力な日本語パッチが登場していないようです。
しばらくは英語のまま使った方がいいようです。
日本のローカル事情に疎い ・LZH圧縮ファイルのスキャンができない。
・2バイト文字のユーザ名でWindowsにログオンしている状態ではインストール時に不具合が起こるようです。
 この障害はインストールの時だけのようです。1バイト文字の管理者アカウントを新規作成してログオンするなり、Administrator等ビルトインアカウントでログオンしてインストールすれば後は問題なく使えるようです。
不具合 筆者の環境で、WindowsXPの新機能である、「ユーザの切り替え」(現ユーザをログオフせずに他のユーザにログオンする)を行うと後からログオンしたユーザではE-mail Scannerが無効になるという現象が出ています。
機能的なデメリット ・残念ながら、ウイルス検出率は一般に低めの感じがあります。
・パーソナルファイアウォール機能が装備されていません。
 パーソナルファイアウォール機能が必要な方は、Zone Alarm Freeバージョンを使う手もありますが、そこまでするなら、はじめからどちらも入っている商用ソフトを買ってしまった方が手っ取り早い気もします(^^;
乱暴ないい方をしてしまえば、一般的な使用法ならば特別問題はなさそうではありますが、その点はやはり割り切りが必要です。
実際、筆者もAVGを信用していないわけではないのですが、あくまでサブのPC用として使っており、重要な情報が入ったメインのPCにはAVGではなく有料の商用ソフトを導入しています。商用ソフトにしてどの程度実効性があるのか分かりませんが、一つの「安心料」だと思っています。


●関連リンク●

AVG7.0 Free Editionダウンロードページ:
http://free.grisoft.com/freeweb.php/doc/2/

AVG7.0(製品版)の各種ドキュメントPDF(英文)
http://www.grisoft.com/us/us_dwnl_doc.php

GRI SOFTホームページ
http://www.grisoft.com/us/us_index.php