AVG7 Free Edition〜待望のバージョンアップを果たし、何が変わったのか?〜

Volume037:2004年12月20日(月)

フリーのウィルス対策ソフトはいろいろありますが、Grisoft社のAVG Free Editionはその中でも最も有名でかつ、定評があるものの一つではないでしょうか。
実際、筆者もAVGは使っています。メインのマシンは安心料ということで商用のウィルス対策ソフトを入れているのですが、なにしろノートパソコンも含めると4台のパソコンがあるのでそれすべてに商用ソフトを入れていたら不経済でしょうがありません。(^^;
ですので、サブのマシンにはAVGを入れています。
それまでAVGのフリーバージョンは、一つバージョンが古いVer6のものしかなかったのですが、このたびAVG6のサポートが終了し、新しくAVG7のフリーバージョンが公開されました。
AVG6は非常に動作が軽快で、非力なマシンには非常にありがたいのですが、さすがに「ツクリ」の古さが隠しきれない部分もありました。
ですので、メインのマシンの保護を任せるのにはちょっと信用しきれない部分はありました。特にAVG6のメールのスキャン機能はOutlookExpressに限定されるのが痛いところでした。


【AVG7のE-mail Scanner】

それまでのAVG(Ver6)は、メールスキャン機能がプラグインというかたちで実現されていたので、メールクライアントソフトに依存してしまうのは避けられませんでした。
ところがAVG7はPOP/SMTPのプロトコルレベルで動作するようになりました。
これによりPOP/SMTPでメールをやりとりする限り基本的にメールクライアントソフトに依存しなくなりました。
Outlook Expressをはじめ、世の中のメールクライアントはほとんどすべてPOP/SMTPで動作します。一応、Outlook(ExpressじゃなくてMS-OfficeなどについているOutlookのこと)とEudora用に専用のプラグインが用意されていますが、上記ソフトにしても、POP/SMTPで使う限りは(つまりIMAPを使わなければ)プラグインの必要さえないのではないかと推察されます。
で、とりあえず、OutlookExpress6と筆者常用の鶴亀メールで試してみましたが、ちゃんと動作することが確認されました。
普段鶴亀メールを使っている筆者としては、メールスキャンがプロトコルレベルで動作するようになったのは非常にありがたいことです。


【その他強化部分】

もちろん、一番大事なのはウィルス検出エンジンですが、Grisoftの現役商品なので悪くなっているわけがありません。
検出率等の細かいところまではよくわかりませんが、レジストリもチェックしてくれるようになったなど、確実にパワーアップしているのが見て取れます。
ただ、気をつけなければいけないのは、英語圏のソフトなので、圧縮ファイルのスキャンは、ZIP、RAR、ARJ、CABだけ。日本でよく使われているLZHに対応していません。
これはバージョン6のころからそうだったのですが、やっぱり日本ローカルの規格までは対応していない様子。
とはいっても、解凍したときや実行するときにはもちろんスキャンされるので、致命的な事態には至らないはずですが、やっぱりウィルスはなるべく早いタイミングで知りたいものです。この点については日本向けに発売されている商用ソフトの方が明らかに優れています。


【AVG7を使う上での注意点(Certify mail設定)】

AVGはデフォルトの設定だと、メールのCertify(証明)設定がONになっています。
この機能がONになっていると、メールの最後尾に"No virus found・・・"なる、メッセージが自動的に挿入されてしまいます。
これはとウィルスのチェックが済んだメールであるということをユーザ(受信者も含む)に知らせることを目的にしているのですが、英語圏の住人ではない私たちがこのようなメールを受け取ったら逆に不安になるでしょう(^^;
ということで、この機能はOffにしておくのが正解な気がします。
方法は簡単で、AVG Control Center→Email Scanner画面で、Configureボタンを押し、"Certify mail"チェックボックスを2つともOffにするだけです。

↓"Certify mail"チェックボックス

※もちろん、このチェックボックスをOffにしてもメールスキャン機能まで無効になるわけではありませんのでご安心を。


●関連リンク●

AVG7 Free Editionダウンロードページ:
http://free.grisoft.com/freeweb.php/doc/2/