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*        フリーソフト使いこなしマガジン tool inside        *
*          Volume027 発行日:2004年6月17日(木)        *
*              ==自動化ソフト==             *
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目次
・自動化ソフト(ウィンドウアプリケーション自動化ソフト)とは
・ロケットマウス
・UWSC
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★★★ 自動化ソフト(ウィンドウアプリケーション自動化ソフト)とは ★★★
自動化ソフト。
より正確に表現すれば、「ウィンドウアプリケーション自動化ソフト」もしくは、
「ユーザ操作記録・再生ソフト」なのですが、あまりに長いので単に「自動化ソフト」
と記述させていただきます。
要するにコンピュータに自動実行させるソフトです。
DOSの時代にはBATファイルで自動化していたものですが、ウィンドウアプリケーション
はそうは行きません。
自動化ソフトというのは、ユーザのマウスやキーボードの操作を記録し、再生すること
によってアプリケーションの操作を自動化するソフトです。

昔話になってしまいますが、この手のソフトの草分けは、筆者が知る限りでは、
「MS Test」という、Microsoftが発売したソフトでしょう。(現在は紆余曲折を経て、
IBMの製品として存続しています)
このソフトの本来の目的はウィンドウアプリケーションのデバッグです。あらかじめ
一連の操作をMS Testのスクリプトで記述しておき、同じ操作をいろいろなパラメータで
実行し、正しくアプリケーションが動作するかどうかを自動的にテストすることを目的
に作られたソフトです。
実際、このMS Test、筆者もあるシステムの負荷がけツールとして使ったことがありま
すが、お世辞にも使いやすいソフトではありませんでした。
これはMS Testの作り云々ではなく、ウィンドウシステム自体が自動化するには向いて
いないことによる問題です。

MS WindowsやMac OS等のマルチタスクOSは、多数のタスクが同時並行的に動作します。
また、処理される順番も必ずしもリクエストした順番に処理されるとは限りませんし、
最悪、OS側がビジーですと無視されてしまうこともあります。
結果として、同じ操作を再現しても、OS側で処理される順番がいつも同じとは限らない
ので、工夫しないと意図した操作が再現されないケースが多発します。

この問題はMS Testに限らず、画面の操作を再現するソフトに共通の問題です。
より確実な自動化を目指すのならば、WSH(Windows Scripting Host)を使ったり、
アプリケーションのマクロ機能があれば、それを利用するなどの方法が一番良い方法
なのですが、何しろ手間がかかります。

ですので、あまり過大な期待は禁物ですが、とにかく手っ取り早く自動化したい場合に
は、自動化ソフトはもってこいです。


★★★ ロケットマウス ★★★
http://home.att.ne.jp/yellow/town/rockm.htm
この手のソフトでは最も有名でしょう。シェアウェアです。(¥2,000)
この手のソフトというのはある程度ウィンドウシステムに対する理解やプログラミング
の知識が要求されがちですが、それらの知識がない方にでも使えるように非常に作りが
親切になっています。
ただ、筆者個人としては、初心者でも簡単に使えるようにはなっているものの、生成
されたスクリプトを加工したり、独自の関数を組み込んだりする場合には逆にやりにく
そうなので結局常用していません。
ですが、比較的単純な操作を再現する際には非常に手軽でいいのではないでしょうか。


★★★ UWSC ★★★
http://www.h7.dion.ne.jp/~umiumi/
フリーソフトです。
ロケットマウスと違って、これはプログラミング知識があることを前提にした作り
です。
ロケットマウスに比べてしまうと正直不親切ですが、必要な情報はちゃんとHelpに書い
てありますので、特別不便はしません。
ロケットマウスは初心者でも使えるように、なるべく制御構造を使ったスクリプトの
記述や、APIの説明を避ける傾向がありますが、UWSCはそのへんが丸出しになっていま
す。
ゆえに取っつきにくい部分があるのは否定しません。ですが、その反面動作が理解しや
すく、作りが素直ですのでいろいろ拡張しやすいです。
プログラミングの知識がある方は、こちらの方が使いやすいと思います。
筆者も普段こちらを使っています。


★★★ Winspector ★★★
http://www.forest.impress.co.jp/article/2004/05/18/winspector.html
ロケットマウスやUWSCでスクリプトを自作する際のサポートソフトとして使える
ソフトです。
いわゆる「メッセージ スパイ ソフト」という、アプリケーション開発者が使う類の
ソフトなので、素人さんにとっては全く意味不明のソフトだと思います。(^^;
ですが、ロケットマウスやUWSCでかなり凝ったことをしようとすると、ウィンドウの
挙動やオブジェクトの各種情報を知らないと確実にアプリケーションをコントロール
できない場合があります。そのようなときには、Winspectorを使って調査できます。
(そこまでするなら、前述の通りWSHやアプリケーションのマクロ機能を使った方が
よさそうな気がしますが^^)
※同種のソフトはMicrosoftの開発環境にも「SPY++」という名前でバンドルされてい
ますので、お持ちの方はそちらをお使い下さい。