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2009/01/27

HP USB Disk Storage Format Tool

記述ベース:HP USB Disk Storage Format Tool v2.18&WindowsXP(32bits)

USBメモリをブートデバイスにするツール

最近、FDDを搭載したPCはめっきり減りましたし、実際、FDDを必要とするケースもほとんどなくなりました。
USBメモリがごく一般的になったので、読み書き可能なリムーバブルメディアとしてのフロッピーディスクはもう使命を終えたと言っていいでしょう。ただし、最後までFDを捨てきれない用途がありました。それはブートデバイスとしての用途。
例えばBIOSのアップデートを行う際、MS-DOSで起動しなければならないので、その時だけはFDが重宝します。また、マルチブート環境を構築する際にも、なにかとMS-DOSが入ったブートFDのお世話になります。
もちろん、最近はDOSを必要とせず、Windows上から出来るようになったり、WindowsPEやLinuxの起動CDを使って行う方式も一般的になってきましたが、CDメディアですと自由に内容を書き換えることができないので、試行錯誤をする場合はFDの方がずっと便利だったりします。
ということで、やっぱり自分のメインPCには相変わらずFDが付いていますし、1年に一度ぐらいは使っていたりしたのですが、とうとう、そういう用途でもFDは必要がなくなった感じがします。
それは、USBメモリをFDのようにブートデバイスにできるからです。そのためツールが、今回紹介する、「HP USB Disk Strage Format Tool」です。

使い方

使い方は至って簡単。
基本は、「Device」にフォーマットするUSBメモリを指定して「Start」ボタンを押すだけです。
もし、MS-DOSの起動ディスクがあれば、「Create a DOS Starup disk」をチェックし、起動ディスクが入っているドライブを指定してから「Start」ボタンを押せば、自動的にMS-DOS起動USBメモリを作ってくれます。
ただ、このツールの難しいところは使い方ではなく、もっと別のところにあります。
現実に、ブータブルUSBメモリをブータブルFDの代わりに使うことを考えると、「汎用性」についても考えておかなければならないからです。

汎用性の問題1〜必ずブート可能になるのか?

まず最初にやっかいなのは、必ずしも全てのUSBメモリがブートできるようになるとは限らないところです。そして、公式にブート可能だと謳っているUSBメモリはあまり多くないという現実があります。では、ブート可能だと書いていないUSBメモリはブート出来ないのかというとそうとも限らないのです。結局はやってみないと分からない。ここがどうも分かりづらいところです。
実際、自分はUSBブートの話題が盛り上がっていたころにチャレンジしたことがあったのですが、いろいろ苦労した結果結局成功しませんでした(原因がメモリ側にあったのかPC側にあったのかは忘れましたが)。
その時は、純粋に興味でやったみただけであり、FDDを所有しているので特段必要ともしなかったこともありその後試すことはなかったのですが、先日ある必要性があってチャレンジしてみたところ、拍子抜けするぐらいにあっさり成功してしまいました。
勇気が出ました。勇気が出たついでに、どれだけ確実なものなのか確認しておきたかったので、周りにあったUSBメモリをかき集めて実験してみました。

実験したUSBメモリ
番号 入手時期 容量 コメント
@ 2008年5月 512MB イベントでもらったノベルティ。
A 2007年? 1GB 近くの電気屋で安かったので買ったUSBメモリ。
入手時期はあやふやだが、このUSBメモリの中で最も古い時期に手に入れたものになります。
B 2008年2月(恐らく) 1GB イベントでもらったノベルティ。
C 2008年8月 1GB イベントでもらったノベルティ。カード型をした珍しいUSBメモリ。
詳細不明のもらい物ばかりですし、唯一自腹で購入したBもかなり古めのKINGMAX製の安物USBメモリです。
…でありますが、結果としてはこの4つとも全てブートに成功しました。
スバラシイ。この結果から推察するに、最近購入したUSBメモリならば、(ブート可能と謳っていなくても)まず問題なくブート可能なのではないかと思われます。

汎用性の問題2〜PC側の対応状況は?

USBメモリのブートにはもう一つハードルがあります。それは、PC側の対応。せっかくUSBメモリが対応しても、PCがBIOSレベルでUSBデバイスを認識できるようになっていなければブート出来ません。
これに関しても実験。周りにあるPC(デスクトップPC3台、ノートPC3台の計6台)でブート可能にしたUSBメモリから起動できるか試験してみました。
すると、1台だけブート不可でした。それは、SONYのVAIO C1XG。ブート時にBIOSがUSBメモリを認識してくれないので、HDDから起動してしまいます。それも無理もないです。2000年5月発売のノートPCです。ちなみにCPUはモバイルPentium II(400MHz)でOSはWindows98SEという、今となっては化石級のノートPCです。ちなみにこのC1 XGが6台の中では一番古く、その次に古いのはASUSのベアボーンPC(2005年8月購入)。これはOKでした。
これだけでは確かなことは言えませんが、どうやらBIOS側の整備は、2000年5月から2005年8月の間に進んだと仮定できます。WindowsXPが登場したのが2001年11月であることを考えると、一つの目安として、WindowsXPが搭載されているパソコンであれば、まず問題なのではないかと思われます。キワドイのはWindows 2000やWindows Meが搭載されているパソコンで、Windows 98はだめっぽいという感じでしょうか。
ちなみに、実際世の中にWindows 2000/Me/98などの古いWindowsのPCがどれだけあるのかはよく分かりませんが、少なくともツールインサイドに設置しているアクセス解析の結果を見ると、こんな感じです。
OSのシェア

Windows 2000が3.9%。まだまだ結構生き残っていますが相当少ないですね。Windows MeとWindows 98については1%を遙かに下回っていますのでほとんど無視できるレベルと言って良いでしょう。
これらの結果から、現実に稼働しているPCで、USBメモリをブートデバイスとして使えないPCは非常に少ないのではないかと思います。普通に考えて、まず心配ないレベルではないかと。

デスクトップPCにおいては、まだまだFDは捨てがたいという気がしていた自分なのですが、これらの結果から「完全にFDは必要なくなったな」と感じました。
HP USB Disk Storage Format Tool - v2.1.8 Download(ダウンロードサイト)
USB起動ディスクの作り方(解説サイト)
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