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2009/03/25

Sumatra PDF(テキストエディタ的な挙動のPDFビューワー)

記述ベース:Sumatra PDF Beta v0.9.3

「ページ単位」の挙動が解せないAdobe Reader

一時、起動が非常に速いFoxit Readerがもてはやされましたが、非常に起動が遅かったAdobe Readerが、9シリーズになってからはかなり改善されたような気がします。ですので、自分はFoxitをやめてAdobe Readerに戻っていたのですが、新たな問題が発生。
というか、前々から感じていたのですが、AdobeにしてもFoxitにしても画面のスクロールの仕方がどうも違和感があります。PDFは電子的に印刷物を忠実に再現することがもともとの考え方のせいか、スクロールの仕方にもそれが反映されています。
どういうことかというと、スクロール中にページの境目が近くなると、ページの上端が画面の上端にジャンプしてしまいます。また、ページの下部分が空白だと、その部分を表示せずにいきなり次のページにジャンプしてしまいます。
人によって感じ方が違うと思いますが、個人的にはこういう挙動は非常に疲れます。なぜかというと、ジャンプの仕方が予測しづらいので、目線の上下運動が多くなるからです。
PDF以外の電子情報は、大抵ページという明確な区切りはないので、小刻みにドキュメントをスクロールさせることができます。ですので、目線を画面中央に固定しておき、読みたいところを視界にたぐり寄せるという感覚で読むことができます。こうすると目の運動を最小限に抑えられるので疲れないんです。また、常に読むところが画面中央にあるので、直感的に文章の前後関係を把握しやすいという効果もあると思います。
ところが、PDFになった途端にそれが通用しなくなるので疲れるんです。とはいっても、最近までさほど問題視はしていなかったのですが、長文のPDFファイルを読む機会があり、あまりの疲労度の違いに放置しておけなくなりました。
ということで、Foxit Reader、Brava! Reader、PDF-XChange Viewer等を試してみたのですが、いずれも「ページの挙動」という意味では大差がありません。考えてみれば、Adobe Reader代替を意図しているのですから当たり前ですが。
・・・ところが、Sumatra PDFだけは、テキストエディタ的な挙動をするのでなかなか快適。

ただし、機能的には最小限

Sumatra PDFはまだベータ状態でもありますので、機能的には非常に質素。
特に気になるのは、Webブラウザ埋め込みでPDFファイルを表示できないこと。Sumatra PDFでPDFファイルを見る場合、必ずダウンロードしてからでないとだめです。この辺の使い勝手の悪さはあります。
ですので、万人にお勧めできるわけではありませんし、すべてのシチュエーションで有効だとは思いませんが、少なくとも長文のPDFを画面上で読むときには非常に快適だと思います。

テキストのコピー操作は独特

Sumatra PDFでちょっと他と操作が違うのはテキストのコピー操作。テキストのコピーをする際は、Ctrlを押しながらマウス左ボタンで四角く囲みます。すると、その部分が黄色く表示されます。
こんな感じ

こうしてコピー対象を指定してから、この黄色い領域を左クリックします。するとクリップボードに文字がコピーされます。あとは目的のソフトにペーストしてください。
テキストエディタにペースト。

(余談)なぜか保護されたテキストもコピーできる(^^;

Sumatra PDFは、コピーを禁止している(保護モードになっている)PDFのテキストもコピーできてしまったりします。メーカーがPDFで配布しているのカタログ等は、結構保護されていることが多いのでナニゲに重宝します。
ただ、これは単にソフトの作者が機能を実装し切れていないためにこうなってしまっているだけだと思うので本来的な使い方ではありませんが。
Sumatra PDF viewer by Krzysztof Kowalczyk(作者ページ)

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