CANON iP4200(インクシステムについて)
(2006/03/11)

iP4200は5つのインクタンクを装備します。
大容量の顔料系ブラック(BCI-9BK)と、染料系ブラック(BCI-7eBK)をダブル搭載しています。
いわゆる5色インクのシリーズとしては、他には旧機種のiP3100とiP4100がありますが、これらのシリーズとは使用する顔料系ブラックが変化しています。
顔料BK 染料BK 染料Y 染料M 染料C
iP3100/iP4100 BCI-3eBK BCI-7BK BCI-7Y BCI-7M BCI-7C
iP4200 BCI-9BK BCI-7eBK BCI-7eY BCI-7eM BCI-7eC
顔料BKが3eBKから9BKに変更になりました。
これが何を意味するのかは実験してみないことにはよくわかりません。
ただ、これは有り難い変更と言えると思います。
3eBKは長年お世話になっているBJ-S630にも採用されているインクですのでよく知っています。このインク、「水に強い」と言う意味での顔料インクではありません。どちらかというと、裏写りしにくいとか、普通紙でも鮮明な印刷が可能という意味での顔料BKです。
9BKはそれに加えて、耐水性が向上しているという話をどこかで聞きました。噂を信じて、試験してみました。

結果としては「大差なし」です。印刷直後に蛍光ペンを引くと、やっぱりかすれます。orz
JPEGの画質の問題なのか、今ひとつかすれた感じが分かりにくいと思いますが、実際はもっと後ろの紙が白いので、結構目立ちます。
もちろん、完全に乾ききった状態で蛍光ペンを使えば問題なしですが。
厳密に比較したわけではないので何とも言えませんが、乾き切るまでの時間も3eBKに比べればかなり早くなっている感じはしました。とはいえ劇的な変化と言うほどではないです。
相変わらず水に弱いCANONのインクに対し、EPSONのPXインクは優秀です。レーザープリンタ(トナー印刷)と同等とも言っていいほどの耐水性を発揮する、PXシリーズに比べると、この点では決定的に見劣りします。


【余談】
PXインクの話題が出てきたので、ちょっと寄り道。
このPXインク、個人的にはとても評価しているんですけど、高精細な印刷に向いていないためか、ローエンド機種かビジネス指向の高級機種にしか採用されていないのが残念。
実際、今回PXインク機のPX-V630も候補としてありました。ちなみに、売値は1万円を切ってました。もちろん、安いに越したことはないのですが、これだけ安いと耐久性の点で不安があったのが落選の最大の理由です。
せっかくエプソンは、今までのインクジェットの弱点をカバーするインクテクノロジーを持っているのだから、もっとPXインク採用機を増やしてくれれば、絶対ヒットすると思うんですけどね〜。
PXインクの実験は過去にPX-V700でやっていますので、参考まで→「(PX-V700の)耐水性試験/スピード測定」


【顔料インクと染料インクの使い分けについて】
閑話休題。
さて、(予想はしていたものの)顔料インクといいながら、たいして耐水性については良くないことが分かったiP4200ですが、こうなってくると当然疑問が沸くのは「本当に顔料インクが使われているのか?」ということ。
当たり前に思考すれば、テキストを鮮明に印刷するための顔料インクなのだから、当然耐水テストで用いたテキストは、顔料で印刷されていたものだと思って間違いないと思いますが、マニュアルにもその辺の使い分けについては一切説明されていませんし、ドライバの設定を見ても、例えば「顔料使用比率変更」みたいな設定があるわけではありません。
ということで、念のため電話でキャノンのサポートに聞いてみましたところ、
@ 顔料インクと染料インクをどのように使い分けるかはプリンタドライバが自動で行う。マニュアルで設定することはできない。
A 一般的な傾向としては、画像系を印刷するときには染料インクを用い、テキストは顔料インクを用いることが多い。
ということです。
まあ、当たり前と言えば当たり前の話ですが、キャノンのサポートさんの口ぶりでは、必ずしもテキストに顔料インクが使われるとは限らない風でした。
ですので、ここからは推測するしかありませんが、非常に浸透性の低いタイプの紙(例えば光沢紙)に、もともと染み込みにくい顔料で印刷すると全く定着せず、最悪粉を吹いてしまったりするので、印刷する紙のタイプも含めて総合的に判断しているのではないかと思われます。


【インクのICチップについて】
話題は変わって、ICチップについて。
iP4200のインクタンクにはICチップが付いています。
これは、インクの残量を正確に計測するために付いているようです。(光学センサによる残量測定と、ICチップによるインク消費量の両面から測定される)
CANONのインクは、伝統的にインクの残量を光学センサーで検出する方式を採用していましたが、最近はCANONもICチップが付くようになりました。
ICチップはインク詰め替え派には不評です。エプソンのインクは昔からICチップ方式を採用していて、インクを入れ替えても(ICチップがインク消費量を覚えているので)「インクなし」となってしまい、専用のICチップリセット回路を使わなければならないなど、いろいろ煩わしいことがあります。
ただし、CANONの場合はどうやら事情が違うようです。
既に、本機で使っているインクの詰め替えキットは各社から発売されていますが、それらには、ICチップリセッタが付属していません。
恐らく、光学方式とICチップ方式を組み合わせているので、インクだけを補充すればちゃんとインク量を把握してくれる仕組みになっているのだと思われます。
この辺、タンクの中身が見えるようになっていることもあり、相変わらずCANONのインクは親切設計で安心感がありますね。
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