SONY VAIO typeP仕様を解説
(2009/01/10→01/28[プレチレビュー追加]→02/06[スティックポインタの新ドライバ公開])
ホーム > SONYの機種一覧 > VAIO typeP[VGN-P90NS,P90SP,P90HS 店頭モデル:VGN-P80H/W,P70H]
比較/違い→(Atom Z機)Dell Inspiron Mini 12
icon【VAIO typePの特徴】
とうとう登場しました! SONYが作ったミニノート。
そもそもミニノートなのかというのも結構微妙なところですが、それはともかく、これはスバラシイ出来です!!
ちょっとそのスタイルにビックリ。VAIO C1を思わせるスタイルです。タッチパッドを廃し、いわゆるトラックポイント(SONYの呼称ではスティックポインタ)を搭載しているので、パームレスト部分がなくなった分横長のスタイルになっています。まさに見た目の印象は最新型C1という感じです。


【VAIO typePのコンセプト〜"持っていてうれしい万年筆"】
typeP開発者のインタビュー記事(type P 開発者に聞く|開発者インタビュー)にはこんなことが書いてあります。
詫摩 キーボードを打つことは、今では当たり前の作法のようなもの。ペンで文字を書くのと同じくらいキーボードで文字を打ち込むことが一般的になってきています。ただそのときに僕たちが使いたいのは書き心地が良く、持っていてもうれしい万年筆。だから(両手をキーボードに乗せる構えをして)こういうスタイルで快適にキーボード入力できることは大事にしました。
まあ、開発者の言葉を聞くまでもなく、typePの商品ページを見ればそれはヒシヒシと伝わってきます。とにかく電子筆記用具としての完成度を追究した感じがよく分かります。
ですので(ハード的な面はミニノートに近いと言えますが)コンセプト的に近いのは、キングジムのポメラなのではないかと思います。正直、ポメラが出たとき、SONYは「やられた!!」と思ったのではないでしょうか。
いわゆるPCメーカーの考えるミニノートはいかにもミニノートという一種の「規格」で作られた製品であり、どうしても画一的になりがちでした。そしてなによりも、後発メーカーはEee PCを筆頭とした先行メーカーに(コスト的な面で)追い着くことが先決であり、コンセプトだの差別化だのということはその次の段階の話という感じですから。そういうスタンスのメーカーは、内心SONYはあまり脅威に感じていなかったのではないかと。
ところが、事務用品メーカーのキングジムが考えた、電子筆記用具の「ポメラ」は、まさにtypePがやろうとしていたことの一部を先駆けてやってしまったわけです。さすがにSONYもキングジムはノーマークだったと思うので、思わぬ伏兵にビックリしたのではないかと。(^^;
もちろん、ポメラとtypePではハードウェアに雲泥の差があります。そもそもポメラはパソコンではなく、電子タイプライターといった感じのものですが、コンセプトとしては非常に似通ったところを感じます。(参考→デジタルメモ「ポメラ」)


【typePはミニノートではないのか?】
それでは「typePはミニノートではないのか?」と言うと、いろいろ考え方はあると思います。
価格的には若干ミニノートの価格帯から外れてしまうのは事実。一番安い、SONY Style専用のオーナーメイドモデルでも79,800円からとなっていますから。そして、OSがWindows Vistaである(WindowsXPモデルが用意されていない)という事実も、Microsoftに「これはミニノートではない」と判定されたことを示唆している感じもしますし。
ただし、少なくとも売り場的にはミニノートのコーナーに置かれることはまず間違いないでしょうし、ミニノートのコーナーにこそ置きたいその極小サイズですので、一般的な認識としてはミニノートの一種ということでよろしいのではないかと。
ただし、相当毛色が違うことは間違いがなく、常識破りなハードウェアなのでその辺について解説をしておきます。


【常識破り1〜超ワイド液晶搭載】
8型UWXGA(1600×768)を搭載しています。アスペクト比で言えば、約10:21という超ワイド液晶です。そして、この液晶パネルはtypeP専用に作られたパネルだとのことです。
他のミニノートがカーナビ用の液晶パネルを流用してコストダウンを図っているのに対して、全く対照的なtypeP。
ちなみに、この液晶は光沢タイプなのか非光沢タイプなのか明記されていないのですが、恐らく光沢タイプです。ですが、ARコートがされているので、光沢タイプでありながら映り込みを抑えたタイプになっています。この辺も、普通のミニノートは違う高級感が感じられるところ。
ところで、この超ワイド液晶は何に使うのかというと、基本的にはWebブラウザやアプリケーションを2つ横に並べて使えることを最大の利点としてアピールしています。さらにはそういう使い方をしやすいように「ウィンドウ整列ボタン」を用意しています。



【常識破り2〜Atom Zシリーズを採用】
普通のミニノートは、Atom Nシリーズがほとんど。なぜかというとNシリーズの方が安いからです。ですが、typePはあえてAtom Zシリーズ(Z520〜Z540)を採用。なぜかというと、Zシリーズの方が消費電力が低く、バッテリー駆動時間を長くできるからです。
Zシリーズを選択したことによって、標準バッテリーでも4.5時間、大容量バッテリーだと9時間を実現しました。
ちなみに、Zシリーズは本来はノートPCよりもっとシビアな省電力が要求されるMIDでの使用を想定したCPU。ですので、もともとこれを搭載したミニノートが非常に少なく、DellのInspiron Mini 12を筆頭に数えるぐらいしかありません。ちなみに、Mini 12のバッテリ駆動時間は3セル時に3時間32分、6セル時に7時間22分なので、typePはそれより更にバッテリ駆動時間が長いです。立派。


【常識破り3〜有線LANはオプション】
typePは無線LANは標準装備していますが、驚くべきことに有線LANはオプションになっています。別売りの「ディスプレイ/LANアダプター」で有線LANは拡張します。もちろん、これは軽量化を優先したためでしょう。
賛否両論あると思いますが、例えば、いろいろなIT環境下に持ち込んで使うことを前提に考えると、若干不便かなという気はしてしまいます。必ずしもそこに無線LAN環境があるとは限りませんから、あらかじめ環境を想定できない場合は常に「ディスプレイ/LANアダプター」を一緒に持ち歩かなければならなくなるわけで。
ただ、使わない人は全く使わないと思うので、こういう選択肢もありか。


【ATOK2008体験版バンドル!!】

どうでもいい人にとってはどうでもいいことですが、ATOK2008の30日間お試し版が付いてきます。(製品版も選択可)
基本的に、この手のトライアルウェアが入っていることはデメリットという考え方をする自分ではありますが、ここに電子筆記用具としてのtypePのスタンスを感じられるので、これはむしろ納得。というか、本当に日本語にこだわったらMS IMEはあり得ません。ですのでむしろ当然のオプションと言えるかもしれません。


【価格的にも相当驚異的】
typePは確かに他社のミニノートに比べると若干高価です。ですが中身を考えれば破格と言っていいと思います。
typeP専用に起こされた超ワイド液晶パネル、10層基盤の超高密度設計、Atom Zシリーズ、トラックポイント…これだけ他のミニノートのセオリーとは外れる(つまりコスト高になる)ハードウェアを装備しながら、79,800円から(SONY Styleのオーナーメードモデルで)というのは、めちゃめちゃ安いと思います。十分、その差額の価値はあると思います。


2009/01/28追加
【プチレビュー〜キーボードとスティックについての感想】
店頭に出ていたtypePを使ってみました。
まずはスティックポインタの感想
一部のレビューでは、プレスセレクトが敏感過ぎるという話だったのですが、ゼンゼンそんなことはありませんでしたね(ドライバが改良されたのかな?)。ちなみに、私はもともとプレスセレクトを使わない人なのでどっちでも構わないんですが。
2009/02/06(後日談)→SONYから、プレスセレクトの問題を解消したドライバの配布が開始されました。→「Pointing Driver Ver.7.0.503.1」)

スティックポインタについては、もう一つ気にしていたことがありました。スティックの太さです。もともとキーピッチが小さいので、スティックの太さにも限界があります。あまり太くしすぎると、誤って指にぶつかってしまいますし、逆に細くし過ぎると、今度はスティックを操作するときに指が痛くなってしまいます。実際、ビクターのInterLinkのスティックは細過ぎて難儀していた人が多かったです。
ところが、typePの場合は問題なさそうです。スティックのてっぺんはドーム状ではなく平たくなっていますし、太さ自体もInterLinkのそれよりも太めではないかと思います、多分。これならば特別問題は無さそうだと思いました。

次はキーボードの使い勝手について。いわゆるアイソレーションキーボードなのですが、まあ、良くも悪くもなしという感じでした。若干タッチがふにゃふにゃしていて安っぽいな、という感じはしないでもないですが、ゼンゼン許容範囲。十分打ちやすいと思いました。あと、「<」「>」「?」あたりのキーが縮小されていないので、違和感が少なく、相当本格的なキーボードです。
ただ、「半角/全角」キーがESCとF1の間にあるのは嫌がる人がいるかもしれませんね。

以上、少なくとも大きな欠点と言えるほどの欠点はない、非常によいキーボードおよびポインティングデバイスだと思いました。はっきり言って期待していた以上です。
スティック型のポインティングデバイスが付いているミニノートは今のところこれだけです。本家LenovoがIdeaPadでお茶を濁してしまったため、ThinkPadユーザーのストレスが溜まりに溜まっている状況において、typePはまさに救世主といっていいミニノートだと思いました。

たった一点だけ気になったこと。
Vistaは荷が重いと思います。WindowsXPモデルを激しく希望(^^;
notepadで日本語を打ち込んでいても、日本語変換時に時々引っかかりが感じられるぐらいですから。
SONYさん、そこのトコロ、何とかならないもんでしょうかね〜?


【VAIO typeP[VGN-P90NS,P90SP,90HS]の主な仕様】
本体色
オニキスブラック ガーネットブラック ペリドットグリーン クリスタルホワイト
OS ●WindowsVista Business
●WindowsVista Home Premium
●WindowsVista Home Basic
CPU
CPU名 クロック L2キャッシュ FSB
●Atom Z520 1.33GHz 512KB 533MHz
●Atom Z530 1.60GHz
●Atom Z540 1.86GHz
チップセット システム・コントローラー・ハブ US15W
メモリ 2GB(オンボード。増設不可)
グラフィック GMA 500(チップセット内蔵)
液晶画面 8型UWXGA(1600×768)
LEDバックライト・ARコート
HDD/SSD ●HDD 60GB(Ultra ATA、4200RPM)
●SSD 64GB(Serial ATA)
●SSD 128GB(Serial ATA)
光学ドライブ なし
バッテリー駆動時間 4.5時間(標準B、Z520、60GB HDD、ノイズキャンセリングOFF時)
9時間(大容量B、Z520、60GB HDD、ノイズキャンセリングOFF時)
外形寸法(W×D×H) 245×120×19.8mm
重量 約588g〜758g
価格 79,800円〜

SONY VAIO type Picon
評価記事/レビュー/購入記/技術解説等、関連記事一覧↓
報道:ソニー「VAIO type P」〜小型モバイルの新たなスタイルを提案(PC Watch)
報道:重さ600g台のポケットスタイルPC「VAIO Pシリーズ」を公開(PC Watch)
関連報道:「VAIO Type P」、クアンタが生産か(japan.internet.com)
関連報道:VAIO type P、ミニノート市場で初登場3位(PC Watch)
レビュー:もっさりVAIO type Pとの闘い(ASCII.jp)
レビュー:ライター後藤がVAIO type Pを買った言い訳(PC Watch)
レビュー:“手放せないPC”「VAIO type P」(PC Watch)
分解レビュー:VAIO type Pの中身はどうなっている? -注目のミニノートを徹底分解する!(マイコミジャーナル)
レビュー:ソニー「VAIO type P」のハイエンドモデルで快適に使える環境設定にトライ!(日経トレンディネット)
レビュー:ソニーの「VAIO type P」を徹底レビュー(4)コンパクトサイズだがキーボードの使いやすさは優秀(日経トレンディネット)
レビュー:小さなVAIO type PをWANと7で大きく使う(PC Watch)
レビュー:「VAIO type P」に期待の「Windows 7」を入れてみた(マイコミジャーナル)
レビュー:ソニー「VAIO type P」 〜小型モバイルの新たなスタイルを提案(PC Watch)
プチレビュー:「VAIO type P」チェックポイント7題(PC Watch)
インタビュー:こだわったのは薄さ、軽さ、そしてスタミナ 〜VAIO type P開発者インタビュー(PC Watch)
インタビュー:typeP 開発者に聞く 開発者インタビュー(SONY)
関連:デジタルメモ「ポメラ」(KING JIM)
関連:「バイオC1」PCG-C1MSX(SONY)
関連:ATOK.COM - 日本語入力システム「ATOK」や日本語に関する情報のサイト(Just Systems)
用語:ARコート[Anti-Reflection Coat](RBB TODAY)
関連:スティックポインタの不具合解消バージョン[Pointing Driver Ver.7.0.503.1]

Sony Styleロゴ_148_800