Windows Vista(ウィンドウズ ビスタ)とは?
(2007/03/03→03/12→06/05→06/23→11/28→2008/02/03[メモリの値段について])
ホーム > WindowsVistaとは
【はじめに】
WindowsXP(ウィンドウズXP)の後継OSとして久々に登場した新WindowsのWindowsVista(ウィンドウズビスタ)なわけですが、フリップ3DだのAero(エアロ)インタフェースだのという基本的な話からし出すといくらページがあっても足りませんので、割愛させて頂きます。
その辺の話は解説サイトがたくさんあります。
【特集】ここが変わったウィンドウズ ビスタ100連発!(ASCII24)
Microsoft Windows Vista: 機能(Microsoft)
透ける見た目だけじゃない!? 「Windows Aero」は操作性向上のためにある(デジタルARENA)
Windows Vistaのユーザー・インターフェイス(@IT)
Windows Vista Beta 2 Product Guide(Microsoft)
等をご参照ください。


【XPとVistaの対応】
ということで、勝手ながら説明の土台をWindowsXPの基礎的な知識があるという前提から話を始めさせて頂きたいと思います。
機能的にWindowsXPのそれぞれのエディションと、それに相当するWindowsVistaのエディションを対応させた表は以下の通り。

※もちろん、Vista独自の機能もありますし、細かい機能構成がWindowsXPの各エディションと正確に対応するわけではありませんので参考程度に。
想定される用途 WindowsXP WindowsVista
パーソナル用途 Home Edition ドメイン接続機能なし Home Basic(ホームベーシック) ドメイン接続機能なし
Aeroインタフェースなし
フリップ3Dなし
ビジネス用途 Professinal ドメイン接続機能あり Business( ビジネス) ドメイン接続機能あり
エンターティメント用途/マルチメディア用途 MCE2005 ドメイン接続器能なし
(インストール時に指定したドメインのみ接続可能)
Home Premium(ホームプレミアム) ドメイン接続なし
メディアセンターあり
ハイエンド(フル機能) MCE2004(絶版) ドメイン接続機能あり
メディアセンターあり
Ultimate(アルティメイト/アルティメット) ドメイン接続機能あり
メディアセンターあり


【XPとVistaの価格比較】
上表で、XPの各エディションに該当するVistaのエディションが分かっていただけると思います。
また、パッケージやDSP版の価格にしても、だいたい対応するXPとほとんど同じかやや安くなっている感じなので、Vistaの方が少なくとも機能は高いわけですからお得感があります。
とは言え、VistaはXPよりもメモリをたくさん必要となります(やはり快適に使うには、Vista Basicでも1GBは欲しいところです)。
ですので、「1GB以上のメモリがある(もしくは増設する予定がある)」場合はコストパフォーマンス的にも、将来性的にもVistaがおすすめだと思いますが、メモリがそれより少ない場合は、XPの方が結局快適だと思います。


【Vistaにすると何が便利になるのか?】
Vistaにすれば何かがとても便利になるのかというと、それはあまり期待しない方がいいと思います。無理矢理便利なところを探せば、フリップ3Dが便利ということになるのでしょうが、そもそもAlt+Tabを多用しているユーザーでないと、結局フリップ3Dも使わないでしょう。
その上、注意しなければならないのは、WindowsVista Basicはフリップ3DもAeroインタフェースもサポートしていません。つまり、これらはVistaの普遍的な特徴とは言い難いと思います。
それでは「Vistaにしても何も便利にならないのか?」
というと、正直、半分Yesですね。
少なくとも、Windows3.1→95になった時や、Windows98→Windows2000になった時のような、パラダイムが変わるほどの劇的な利便性の向上にはほど遠いレベルの違いしかありません。
少なくとも、「ネット/メール/オフィスが使えればいい」という方にとっては、XPもVistaも同じだと思います。
そういう方は、あまりVistaにこだわる必要はないと思います。


【Vistaの本当の意味】
WindowsVistaはXPとあまり違いがない、魅力が薄いOSかのように書いてしまいましたが、個人的には非常に画期的/革新的/先進的な非常に注目すべきOSだと思っています。ただ、それが一般消費者にどれだけアピールするのかというと激しく疑問ではあるので、難しいところですが。
何がそんなに凄いのかというと、Vistaのグラフィックシステムです。
ここが、Vistaとそれ以外のWindowsとはまったく違います。石器時代と鉄器時代ぐらいの違いがあります(意味不明)。


【VistaのグラフィックはDirectXベースに】
VistaはグラフィックシステムがDirectXベースになりました。(Vista以外のWindowsはGDIがベースになっています)
DirectXが何かとか、GDIの話とかはこれまた長くなりすぎるので割愛しますが、2Dのファンクションしか持たないGDIではなく、3D系のファンクションや多彩なエフェクトを使用できるDirectXを使用してウィンドウやボタンやメニューやらのGUIを描画できるわけです。
であるからこそ、半透明の表現(アルファブレンディング)を行うAeroインタフェースや、ウィンドウを3D表現するフリップ3Dが可能になったという理屈なわけです。つまり、OS内部から見たAeroインタフェースやフリップ3Dは、GDIからDirectXに移行した結果の一種の「副作用」でしかないわけです。
本当に重要なのはDirectXを使っているということであり、さらに言えば、2D表現しかできないGDIはすでにOS用のグラフィックシステムとしても時代遅れのシロモノになってしまったという事実が重要なのです。
DirectXは、もともとは表現力の乏しいGDIを補完するかたちで(というより、Windows上で高度で高速なグラフィック処理を要求するゲームを実行できるようにするために)登場したものです。ですので、WindowsのGUIが登場した当初からあったものではなく、あとから追加されたオプション扱いのものでした。
それをオプションではなくOSの動作必須要件として昇格させようというのですから、その大変さは量りしれません。
DirectXはGDIとは違い、実質的にある一つのアプリケーションがリソースを占有することを想定して作られていましたから、複数のアプリケーションが同時にDirectXの機能を使おうとした場合によってはエラーになってしまうこともあるわけです。
そうならないように調停を行う仕組みも必要ですし、もちろん、従来のGDIベースのアプリケーションも実行可能とするため、GDIとの完全な互換性を取りながら完成させなければならないのですから、生半可な作業ではないでしょう。であるからこそ、Vistaの登場までこれだけの時間がかかったのだと思います。

では、なぜそこまで大変な作業と時間を費やして、GDIを捨てなければならなかったのかというと、もう意図は明らかです。
そう、GUIの完全3D化です。
フリップ3Dみたいな限定的な3Dではなく、完全な3D化です。DirectXならばそれも可能なわけです。Windowsが扱うあらゆるオブジェクト(ウィンドウ、ボタン、アイコン、各種グラフィック等々)が仮想的な3D空間の中で自由に配置できるようになるということです。
そしてもちろん、アプリケーションも完全に3D対応です。例えば、グラフィックソフトを使う時、パレットだのレイヤーだのいろいろなパネルを出したまま作業することが多いので、ついつい画面が狭くなってしまいますが、これらを奥行き方向に並べておいておいて、必要な時に前面にもってくるなどの操作が非常に簡単にできるようになるというわけです。
そのためにはアプリケーション側の対応も必要ですし、2Dでしか位置情報を指定できない今のマウスでは役不足でしょうから、入力デバイスの面もなんとかしないといけないと思います。
ですので、時間はかなりかかるでしょうが、Vistaは今までのGUIとは、文字通り「次元が違う」GUIを目指すための第一歩を踏み出した記念すべきOSということになるのではないでしょうか。


2007/06/23加筆
【WindowsVistaの人気は?】
さて、Vistaの登場から5ヶ月が経とうとしていますが、果たしてVistaはどの程度普及したのでしょうか?

個人的な感想では、たいして普及していない感じがします。
店頭の状況を見れば、普及していない理由は明らかです。全然Vistaにスイッチしていませんから。ごく普通にXPモデルとVistaモデルが並んでいます。

なぜかというと、基本的にXPモデルの方がメモリが少なくて済むわけですから、純粋にハードウェア的なコストだけを考えてもXPモデルの方が安くなるわけで、両方選べるのならばそりゃWindowsXPでいいかな、という購買者だって少なからずいるはずです。やはりビスタは重すぎるのだと思います。
販売店だって、本当はVistaを売りたいに決まっています。Vistaが十分魅力的ならば、それだけ値段の高いパソコンを売ることができるのですから。それが徹底できない理由は、ハードが高くなるだけの魅力が薄いからです。そうなると、販売店だって「Vistaが最新で便利!!」なんて脳天気なことばかり言っているとよく知った客になめられます(^^;。ひいては店の信用を落としかねないわけで。

さて、この時期、各社の夏モデルが出そろってきたので、すこしはVistaの比率が上がることは必然ではありますが、相変わらずVistaが重いOSであるという事情に大きな変化がないのが心配です。
正直、夏モデルが出る頃には、メモリ(DRAM)の値段が下がると読んでいたメーカが多いのではないでしょうか。最近のDRAM単価は比較的安定しており、さほど値下がりも値上がりもしていませんでしたが、Vistaの登場に触発されてDRAMの生産量が多くなったのは確かです。となれば、当然量産効果で単価が安くなるはずと思っていましたが、その予想は見事に裏切られましたね。

Vistaは、メモリが潤沢にあればかなり優れたOSだと思います。ですが、そのメモリが値下がりしない現在の状況では、Vistaに完全に切り替わるのはもうちょっと先になりそうな気がしますね。

2008/02/03加筆
さて、その後、昨年末あたりから急激にDRAMの価格が下落してきています。実は、Vista目当てで増産したメモリが思ったほど捌けなくてダブつき気味なためだという噂も流れていますね。
理由はともかく、現在、バルク品であればDDR2 800MHz(PC6400)の1GBメモリモジュールが2,000円程度という、信じられない価格まで下がってきました。(年末時点で底を打ったせいか、若干価格が戻ってきている感じはしますが)
いずれにせよ、これぐらい低価格化すればメモリ面でのVistaの問題はかなり解消されてきた感じはあります。ですが、そうなると新しく問題として浮かび上がってくるのが32ビットの壁。
WindowsVistaの本来のパワーを100%発揮させるには、2GB程度のメモリが必要、と一般に言われていますが、32ビット版のVistaはメモリの管理方法の都合上、3GB以上のメモリを管理できません(それ以上のメモリを積んでも意味をなさない)。これではあまりにメモリのスケーラビリティが小さすぎます。
4GB程度のメモリを積むことが十分現実的になってきている昨今、せっかくVistaを動かす環境が整ってきたにもかかわらず、皮肉なことに32ビットのVistaではやや役不足、と言った状況が出てきてしまいました。
これを解消するためには64ビット版Vistaが必要です。値段的には32ビット版と同じなので、もっと一般に普及しても良さそうな気はしますが、現実はそうはなっていません。
なぜかというと、互換性の問題があるからです。まだまだ32ビットアプリケーションが動作しないとか、ドライバが動作しない(もしくは存在しない)とか、そういうトラブルが珍しくない状況だからです。
とは言え、ハードウェア的にはずいぶん前から64ビットが当たり前になってきているので、受け皿の方の整備はもう整っています。
互換性の問題が解消されたあかつきには広大なメモリ領域を思う存分使えるわけで、Vistaの潜在能力が100%発揮されることとなるでしょう。
そうなった時が本当のVistaの出番なのではないかな、という気もします。


2007/11/28加筆
【「ダウングレード権付き」とは?】
最近、「ダウングレード権付き」のWindowsVistaが目に付きます。
これはつまり、ユーザーがWindowsVistaでもWindowsXPでも要望に応じて選択できるようになっている(XPにダウングレードできるようになっている)ことを示します。
ただし、実際にダウングレードする際の手順はメーカーによって様々です。
始めからダウングレードメディアが同梱されているところもあれば、申込者にしか配布しないメーカーもありますので、その辺は要確認です。

ダウングレード権付きOSというのは、WindowsVista以前から存在したようですが、一部の法人用PC専用と化していたようで、一般にはほとんど知られることすらなかったと思います。というか、自分自身知りませんでした。
それが、これほど一般的にダウングレード権付きのOSがインストールされたパソコンが売られるという現象は非常に珍しいことではないでしょうか。
マイクロソフトとしては、そんなことは絶対したくないのは想像に難くないです。なぜならば、これはWindowsXPの延命に手を貸す結果になるわけですから。
マイクロソフトがある意味強引に新OSに切り換えさせる策を取ることは過去にいろいろありましたが、今回は随分弱気なマイクロソフト。これはつまり、「もしかしたらVistaはお客様の要望に応えることができないかもしれませんから、XPの選択肢も用意させて頂きます」と言っていることに等しいわけで。
XPのサポート期間が延長されたことといい、この件といい、マイクロソフトが強引にVistaの普及を進めることができない理由。それは、どう考えても一つの結論しか出てきません。
「XPの方がいい」という世の中の声がそれだけ大きいからです。

まずいです。(^^;
このまま行くとWindowsVistaはWindowsMe的OSになってしまいそうな気が…。
正直、WindowsMeはそもそも出来が悪いOSでした(Meはもともと発売さえ危ぶまれた"ワンポイントリリーフ"的OSだったのでしょうがないのですが)。
それに比べれば、WindowsVistaは今後のパソコン利用の幅を大きく拡大するポテンシャルを秘めたエポックメーキングなOSだと思うだけに、ちょっと残念。
後もう一つ、WindowsVistaの普及が遅れることによって、DirectX 10の普及にも影響しかねないことが結構心配でもあります。
現在のところ、DirectX 10はVistaでしかサポートされませんし、将来的にもXPでサポートされる予定はありません。
せっかくのDirectX 10も、Vistaユーザーが少なければ意味がないわけで。ひいては、グラフィックチップの進化を減速させてしまう可能性もあるわけです。
関連記事↓
Microsoft Windows Vista(Wikipedia)
Windows Vistaの機能を,製品種別ごとに一覧比較(ITmedia)
Vistaが「遅い」と感じませんか?(ITmedia)
Windows Vistaの仕組みを学ぶ【SuperFetch ReadyBoost ReadyDrive編】(PC Watch)
ツール:Microsoft Windows Vista Upgrade Advisor(Microsoft)
Welcome to Vista !〜5年ぶりに登場した待望の新OS「Windows Vista」を徹底解剖!〜(価格コム)
ここが変わったWindows Vista 100連発!(ASCII24)
資料:Microsoft Windows Vista:機能(Microsoft)
解説:透ける見た目だけじゃない!? 「Windows Aero」は操作性向上のためにある(デジタルARENA)
解説:Windows Vistaのユーザー・インターフェイス(@IT)
資料:Windows Vista Beta 2 Product Guide(Microsoft)
レビュー:Vistaの製品版で性能をチェック(日経パソコンPCオンライン)
技術解説:VistaのWDDMについての解説:Vistaグラフィックス編(4Gamer.net)
徹底検証Windows Vista vs Windows XP どちらのパフォーマンスが優れているか? (Microsoft)
この1年で大きく進歩したWindows Vista x64(ITmedia)
批評:Vistaにアップグレード「したくない」理由 (ITmedia)
批評:現時点で判明した「Windows Vistaの欠点」を暴く(ITpro)
批評:Vista発売2週目に早くも失速(PC Watch)
批評:Windows Vistaを好きになれない理由(PCWatch)
システムの復元(Wikipedia)
失ったファイルを復活できる“シャドウコピー”(ASCII.jp)