|設計|構築|集客|分析|精神論|その他|

2010/03/06→03/15[誤字訂正]

Sanwa DirectのイベントとLinkShareの未来(!?)

Sanwa Directのイベントは普通とはちょっと違う

先日、Sanwa Directのあるイベントに行ってきました。(詳細→【サンワダイレクト】アフィリエイト意見交換会&見本市)
このイベントは、名前からも分かる通り、「見本市」の一種ではあります。見本市であれば、いろいろな企業でやられていることであり、さほど珍しいことでもないです。
ですが、これはただの見本市ではありません。「意見交換会」という名前も付いています。
つまり、意見を交換し合う場所としての性格も持っています。若干大袈裟な表現かも知れませんが、分かりやすく言えばディスカッションとかサミットとか、そういう要素も持ったイベントなんです。
それ故、それなりに一家言持っている人でないと参加しづらい印象があるかも知れません。ですが、あえてSanwa Directがそうしているのは、単に情報を発信するだけの場にはしたくない思いがあるからだと思います。
つまり、参加者からの意見やアイディアを吸い上げて、Sanwa Directをよりよい方向に舵取りをしていきたい、と意図しているわけです。
この意見交換会は、既に3回目を数えるのですが、この場で出た議論をSanwa Directさんはビックリするぐらい重視していて、実際相当意見を採り入れてもらっているんです。
例えば、現在のSanwa Directには、「for Woman」という女性向けのサイトがありますが、これも意見交換会(第1回)で出た意見を元に作られたものです。(詳しい話はこちら→サンワダイレクトさんのアフィリエイト意見交換会)

今回のイベントに限らず、リンクシェアやバリューコマースが主催するECサイトの見本市/商品説明会には度々出席していますが、こういう比較的ECサイトと参加者が対等という感じのイベントは自分が知る限りサンワダイレクトさんだけです。
普通は、ECサイト側からの情報発信が主でありますし、ECサイト側の心理としても新商品を説明する時間を少しでも長くとりたい、という強い思いがあるので、情報の流れはどうしてもECサイト→参加者になりがちで、逆の流れは、あって質疑応答の時間だけというのが実情ですから。

参加者がアフィリエイターだからこそ意味がある?

今回のように参加者に意見を求めるイベントは、一般ブロガーを集めてしまうと発散してしまう恐れがあります。なぜならば、一般ブロガーですと、純粋に商品の興味だけで参加している方も多いと思うからです。
いや、それはもちろん悪いことではありません。一般的にはむしろ良いことだと思うのですが、「意見交換会」のようなイベントの場合は向いていない可能性があります。ファンではあっても、商品を売る活動をしている(アフィリエイト等の活動をしている)かどうかは分かりませんから。
そうですと、例えばどうすればもっと商品が訴求するようになるのかとか、ECサイトからどういう情報を出せばより売りやすくなるのかとか、そういう実務的な情報は引き出せない可能性がありますからね。

LinkShareから見れば、AMNとの差別化になるかも?

…さて、ここまでの話はSanwa Directの話なのですが、本題は実はここから。
この意見交換会をLinkShareの視点から見れば、ある意味、今後のLinkShareの方向性を模索する上で面白い実験場になるのではないかとも思ったりするんです。
LinkShareはイベントが多いASPです。そして、アフィリエイターの一人として感想を言わせてもらうと、それはLinkShareの魅力の一つです。やっぱりイベントに参加するのは非常に楽しいです。なにしろ、まだ世に出ていない新商品をいち早く手に取ってみることができるチャンスなんですから。
昔ですと、そういうイベントはプレス向けのイベントばかりでした。一般の人が参加するのはなかなか難しかったと思います。そういう時代にあって、ASPが開催するこの手のイベントは一般の個人とって非常に貴重なイベントであったと思います。大袈裟なことを言えば、アフィリエイトのモチベーションを維持し続けるためにも大きな力になっているかも知れません。

強力なライバル、ブログマーケティング会社の登場

ところが、個人でも参加可能な新商品発売イベントを開催するのはASPだけではなくなってきました。得に、自分が最近よく利用させてらうようになったのがAMN(アジャイルメディアネットワーク)です。
この会社はASPではなく、「ブログマーケティング」をする会社です。もっと広い範囲で括れば、広告代理店です。業態は違うものの、最終的な目的はASPと似ています。
つまり、現代のクチコミメディアとして強大な影響力を持つようになったブログを広告メディアととらえて、個人のブログ上で企業の商品をプロモーションするための手法を提供する会社です。
具体的な仕組みについては本題ではないので省略しますが、その活動のメインにブロガーミーティングがあります。これはつまり、企業の製品発表会/説明会です。
AMNのブロガーミーティングには、ASPが行う同様のイベントに対して以下のようなメリットがあると思います。
開催者側のメリット 低コスト ASP経由で行うイベントは、大前提としてASPに加入していなければいけないわけで、イベントだけ行いたい企業がそのためにASPに加入するかと言えば、それはまずあり得ないでしょう。つまり、もともとASPに加入している企業に限られるわけです。
企業から考えれば、ASPへの加入が必要ないというだけでも、AMNで開催する方が圧倒的に低コストで済むと思われます。
より購買層に近い参加者を集められる 有力アフィリエイターなどは、目線的には購買側よりも売る側(小売店的視点)なので、もっとビジネスライクに考えている人もいるわけです。
それに比べれば、純粋に商品が好きだったり興味を持っている人ばかりが集まれば、少なくともイベントは盛り上がるでしょうからね。
参加者側のメリット ASPに加入していなくても参加できる ASPに登録していなくても、ブログさえ持っていれば誰でも気楽に参加可能。

もちろん、アフィリエイターから見てAMNのブロガーイベントは良いことばかりではないのですが、ごく一般的な消費者から見て、AMNのブロガーミーティングの方が遙かに参加しやすいのは間違いないです。
そして、企業側からも利用しやすくかつ効果があると認められている感じがあります。

例えばDell。DellはLSに加入しているメーカーですし、LSの初期から加入している大得意様なわけです。当然、相当優遇されているはずですが、そのDellが最近、LS経由でイベント開かないでAMN経由で開催しているんですよね!
これは由々しき事態ではないかと。少なくとも現象だけを見れば、Dellは「LSよりもAMNでイベントを開催した方が良い」と判断していることに他なりませんから!
LSの面目丸つぶれじゃないですか! この辺、LSは対策を立てないとまずいのではないかという気がします。
Dellがそうする理由はよく分かりませんが、もし金額面の話なのであれば、LSさんはAMNに対抗して値下げしないとマズイ気がしますけどね。せっかく数あるASPの中でもイベントが非常に多くて楽しいASPなのだから、その特徴を大事にして欲しいと個人的には思います。

「ASPならでは」のイベントを追究するのもアリかと

そしてもう一つ、「リンクシェア主催のイベントならでは」という特色を追究するのも良いことではないかと。その一つのケースとしてSanwa Directの「意見交換会」というのはなかなか面白い試みではないかと思うんですよね。
商品を発表するだけでは終わらせない、ということです。
ASPのイベントに集まる人は当然100%アフィリエイターなのであるから、せっかくのアフィリエイターの知識を何らかの形で生かすことができれば、AMNではなくLSで開催する意味が出てくるわけですから。