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2008/10/11

サンワダイレクト for Womanについて考察

サンワサプライ直営【サンワダイレクト】

サンワダイレクト vs サンワダイレクト for Woman

さて、●サンワダイレクトさんのアフィリエイト意見交換会
の続き。
「サンワダイレクト for Woman」をネタに、「女性向け」とはなんぞや、という問題を考察してみたいと思います。
ちなみに、サンワダイレクト for Womanは、実際にサンワダイレクトさんの女性社員が中心になって構築しているとのことです。そして非常に考察のネタとして面白いのは、従来のサンワダイレクトもちゃんと併存しているということ。
男性目線の「サンワダイレクト(SDと略)」と女性目線の「サンワダイレクト for Woman(SD4Wと略)」この両者を比較してみることで非常に考察がしやすいですね。

色遣いの比較

まず最初に気が付くのは色遣い。
SD4W

ピンク系&パステル系。いかにも女性らしい感じ。
まあサンワダイレクトの女性スタッフが作成されたわけで、女性の中でも、その中の属性としてはOLさんなわけです。OLさん目線で作るとこうなるのかな。
男の目線で見ても、決してかわいすぎて気恥ずかしい感じもしないし、ま、妥当な色遣いではないかと。
SD

白&ブルー系。
というか、まあほとんど成り行き任せというか。
色遣いにはさほど気遣っている風には見えないです。

情報量の違い

ここが最も際だった違いかも知れず。
SDの方は本家なわけで、どうしたって網羅的にならざるを得ないところです。そういう事情はあるにせよ、女性から槍玉に挙げられがちなのが、「情報が多すぎ」ということです。情報が多すぎて何を選んでいいか分からないし、商品の分類のされ方も分かりにくい、という女性からの指摘が多いです。
恐らく、それを意識しているのでしょう。SD4Wの方は、簡単に表現すれば「女性向けアイテムのセレクトショップ」という感じでしょう。
SD4Wのトップに表示されている、ここの部分→
を見れば一目瞭然。
可愛いアイテム、おしゃれなアイテム、キラキラ系のアイテムを前面に押し出しているのが分かると思います。
そして、逆に言うとカワイクナイ商品は探しにくくなっています。というか、網羅的な探し方は出来なくなっています。
例えば、SD4Wには全カテゴリを網羅したカテゴリ一覧がありませんし、検索ボックスも見つかりません。この辺、やっぱり小難しいことはどうしても女性は敬遠されるようで、あえてそうしているのですね。
一応、SD4Wにカテゴリ一覧的なものもあります。

SD4Wのカテゴリ一覧
←このカテゴリの分け方自体もSDとは全く違っていて、「パソコン・デスクまわり」とか、非常に抽象的な分け方なのが特徴的。
そして、例えば、それぞれのカテゴリをクリックするとどんな画面が出てくるかというと、こんな感じです。↓
カテゴリトップの画面

いきなり、店長のイチオシセレクションだよ!
マジッスか。男にはイマイチ理解できない世界。(^^;
少なくとも自分はこう考えてしまいます。
「それはあくまでアナタ(店長)の価値観でフィルタリングされている結果。価値観なんて人それぞれ。イチオシかどうかは自分で判定するから勝手にフィルタリングしないでほしいな」と。オタク気質な自分でスマソ。
だけど、女性にとってはそうやって親切にオススメしてくれる方が有り難いと感じる人の方が多いんでしょうね〜。

内容の違い

あと、SD4Wのトップページには、いわゆる解説ページが配置されています。→
サンワダイレクトの商品が何をするためのものなのかを説明するための記事です。

女性からの意見で、「そもそも商品の意味が理解できない」とか、「マウスにこだわる意味が分からない」とか、そういう論調の意見も多かったです。
例えばマウスだとモノによっていろいろ違いがあります。
ボタンの数とかDPIの違いとか、方式の違い(ボール・光学・レーザーなど)とか、そういうのって女性は全く興味がなく、普通に使えればいいじゃん、という感覚の人が多いみたいです。
ある意味納得できる部分ではあるのですが、でもそれを言ってしまったら、一生懸命他社との差別化を考え、少しでも良いモノを作り出そうと日々苦心している開発者が浮かばれないッス。(^^;
まあ、そんなことはともかく、基本的にサンワダイレクトさんの商品は「難解」な感じがあるようです。それを解消するための記事群なんでしょうね。

記事内容見ると、結構ちゃんと作り込まれています。文章も平易で分かりやすいですし、イラストも多用していて読む気になる記事です。↓

この手の記事、女性向けということに限らず、SD本家の方にも欲しいぐらいなのですが、一方であまりやって欲しくない気もします。アフィリエイターの目線から言わせて頂くと「それはウチらの仕事だからサンワダイレクトさんはあまり力入れないでね」という気もするんですよね。(^^;

まとめ

最後にまとめておきます。
SD4W SD 補足
色遣い パステル調 ビビッド調 SDの方は、中間色は少ない。
情報量
検索性 SD4Wの方は検索窓なし。
激安情報(価格情報) SDの方には「激安!!」的なロゴが踊りがちですが、SD4Wの方はそういう値段を全面に押し出すことはせず。
※いくらなのか、ということはあまり気にしない、という女性陣からの意見があったからなのでは。
解説的な記述
平易さ SD4Wの方は、なるべく専門用語を使わずに平易に解説しようと言う意図が見えます。
こんな感じでしょうか?
まだまだ観点は限りなくあるとは思いますが。
さて、この違いが即、「女性向けとは何か」「男性向けとは何か」の回答になるかとは思いませんが、一つのケーススタディーとしてとらえて下さい。
何となく、傾向めいたものは見えてくるのではないかと。

余談〜アフィリエイト戦略上、性別の考察はどの程度大事か

サンワダイレクトランキングさて、ここまでいろいろ考察してきましたが、このような考察が、アフィリエイトのしかたや売り上げ向上にどれだけ役立つのかというと、正直、その人次第です。というか、逆効果になることさえあると思います。
SD4Wは恐らく成功した方のケースであり、必ずしもこういう風にうまく行くとは限りません。それに、SD4Wが唯一の選択肢だったのかというと、そうは思いません。逆の方向もあったのではないか、と思います。
SDは女性には取っつきにくい部分はあるのかもしれませんが、今さらそれを巻き戻すのは逆にもったいないですし、自分も含めて、男性の中には「使いやすい」と思う人だっているわけですから。ですから、徹底的に男性向けの硬派なサイトに特化するという手だってあったと思うんです。
例えば、
・英語のマニュアルしか付いていないような輸入物のレアアイテム(もちろんノーサポート)を集めちゃうとか、
・フィギア系/アニメ系のアイテム(USBメモリとかマウスパッド類)を扱うとか、
・結構充実しているバック系も、あえてミリタリー系のヘビーデューティーなバックを重点的に集めちゃうとか…。
いろいろ方法は考えられますよね。

アフィリエイトにおいてもフォーカスの仕方は非常に難しい

翻って、アフィリエイトの仕方について考えを巡らせてみると、同じような悩みがあるんですよね。
それなりに軌道に乗ってきて、固定客も付いてくるとだんだんサイトのカラーも固まってきます。それは良いことではあるのですが、そのカラーでやっているだけでは売り上げが頭打ちになる日が来ます。
それを打破しようとすると、まず考えるのは新規の客層開拓です。今まであまり重視していなかった客層をも取り込もう、とそう思うようになります。例えば、今まで男性客中心で考えていたけれども、女性にも受けるような優しいサイト作りをしていこうと。単純に考えれば、男性と同じぐらい女性はいるのだから、そのマーケットを放っておく手はない、と思うわけです。
だけど、それは言うまでもなく、悪魔のささやきである可能性もあるわけです。それがうまく行く保証はどこにもない。それどころか、せっかく確立したサイトのカラーを壊してしまう可能性も孕んでいるわけで。
こと、アフィリエイトにおいては、大きなパイを狙うよりもニッチで攻めた方がうまく行くことが多いのでなおさらです。徹底的に今のサイトのカラーを大事にして、よりそのカラーを追究する(よりニッチな方向に振る)、という手もあるわけです。
この辺のバランス感覚が非常に難しいところです。