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2008/03/09

富士通の新製品発表会

先月、富士通さんの製品発表会に行ってきましたが、その時に富士通のスタッフさんといろいろ話をしました。
基本的にパソコンの話がほとんどなので、このサイトの趣旨にあうような話題はあまりなかったのですが、多少は「ネット販売のあり方」というか、「アフィリエイト考」というか、その手の話もしました。なかなか興味深い話も。
今回のイベント、個人的にはかすかな引っかかりがありました。富士通というリアル店舗での販売を中心とするパソコンメーカーが、なぜアフィリエイター向けのイベントを開催したのか、ということが。DellやHPがWeb直販を重視するのは当たり前ですが、なぜ富士通なのか、というところが。

以下、あくまでその富士通スタッフさんの個人的な意見なので参考程度に聞いて頂きたいのですが、一つの理由として
「最近は店頭では製品の中身をアピールできなくなっている事情もある」
とのこと。
どういうことかというと、結局価格競争になってしまい、「安ければいい」的な感じで買われてしまうことが多い、と。
恐らくそのスタッフさんは一つの「弊害」として例を挙げられたのだと思いますが、例えばネット回線とのセット販売。
「本体購入と同時に、指定のISPと契約して頂くと本体を更に○万円引き!」的な売り方です。
こういうことをやられると、結局、本体が限定されてしまうし、販売店もそういう格安のセットをバリバリ推してきます。
ですので、お店に漠然とパソコンを買いに訪れたお客さんは、「それだけ安いならそのセット販売のやつでいいや」という風に流れてしまいますし、販売店側も「売れるんだからいいじゃん」ということになっちゃうわけです。
これは、パソコンを作っている人たちからすると非常に寂しいのではないかと。

むしろ、ネットの方が他社製品と比較されやすい世界ですので、むしろ価格競争になってしまわないか、という気もしないでもないですが、確かにある程度分かっている人にとってはネットの方が製品の詳しい情報を得やすく、かつじっくり検討できるので、「製品を理解してから買ってもらう」ためのメディアとしてはそれなりに優位性はあるのではないかと。

メーカーがアフィリエイターに期待する部分

そして、メーカーとして、アフィリエイターに期待する部分についての話もありました。
メーカーが今回のようなアフィリエイターへの便宜を図るイベントを開催して何をしてもらいたいのかというと、製品の中身を詳しく紹介してもらいたい、という思いが強いようです。かつ、中立の立場で製品を紹介してもらいたいということです。
メーカーはメーカーの立場からしか情報を発信できません。自社製品の良いところは積極的に宣伝できますが、例えば、あからさまに他社の製品を名指しして比較するわけにもいきませんし、正直オススメではないところ、気をつけて欲しいところなどがある場合でも、本心は親切心で書いておきたいところですが、やはりその辺もなかなか書けないのが現実。
その辺の、忌憚のない意見をアフィリエイターにどんどん発信して行ってもらいたい、ということです。もちろん、その結果として富士通のパソコンを沢山売れることを期待しているわけですが。
そんなの当たり前と言えば当たり前かもしれません。そうでなければ、アフィリエイターの存在意義がありませんから。逆に、アフィリエイターがどれだけメーカーさんの期待に応えられるかが試されているとも言えるのかも知れません。
向こうだってボランティアでアフィリエイトプログラムを提供しているわけではありません。「アフィリエイターは役に立たない」と思われたら、アフィリエイトプログラム自体から撤退することだって十分あり得るわけですから。
Web直販サイトを宣伝する方法は他にもいろいろあります。Google Adsenseへの出稿、有力情報配信系サイト(ITmediaとかマイコミとか価格コム等々)との提携、パソコン雑誌への広告出稿などが代表的でしょうか。
ただし、これらの手法は全てメーカー側の立場でしか情報を発信できません。逆に言えば、あえてアフィリエイトという宣伝手法をとる理由は、やはり第三者に正直なレビューをしてもらいたい、ということなのだと思います。

Web直販の意義

そして、(リアル店舗にはない)Web直販サイトの魅力をどう出していくかということにも、常々腐心しているわけですが、スタッフさんのお話では、Web直販の魅力はやはりカスタマイズWeb限定モデルである、という考えのようですね。
これはあくまで富士通さんのスタンスであり、他のパソコンメーカーもそういう捉え方をしているのかは分かりません。
そして個人的にも、パソコンの構成がカスタマイズできるという特徴は、パソコンがもっと高価だった時代、パソコンの性能が限定的だった時代に意味があったことで、現在はパソコンが全体的に低価格化し、はじめから何でも付いてきてしまう時代です。
ですので、カスタマイズできるより、カスタマイズ不可の決め打ちモデルを大量に生産することにより低価格化を目指すという手法の方が今後主流になるのではないかという気がしないでもないので、何とも言えないところですが。
まあ、パソコンに限定した話は本サイトの趣旨ではないのでこの辺にしておきますが、少なくとも富士通さんのWeb直販サイトの勝負所として「価格」の話は出なかったのがある意味興味深いです。
一般に、ネットの方が価格が安いと言われますが、富士通のWeb直販サイトは必ずしも店頭より安いわけではありません。高いとは言いませんが、価格だけで見れば、十分リアル店舗でも勝負できるレベルです。
であるにもかかわらず、富士通がWeb直販をプロモーションする理由は、単純にパソコンの売り上げを伸ばしたいという動機だけではなく、商品を理解してもらいたいという思いが強いことの表れでもあるのかも知れません。

ライバルはDellとソニスタ!?

そしてもう一つ、興味深い発言がありました。ライバルとして上げたのが、Dellは当然として、その次にSONY(Sony Style)が出てきました。
確かに、ソニスタはパソコンのWeb直販界ではかなり有名なサイトですが、ソニスタって非常に分かりにくいサイトなんです。利用者の立場から言わせてもらうと、ソニスタは見た目にこだわりすぎな感じがあります。そこがSONYらしいところでもあるのですが、とにかくイメージ先行型のサイトで、機能性/検索性が悪いです。
それでもやっぱり売り上げ的にはかなりの実績があるサイトなので軽視はできないのは分かりますが、もし自分がWeb直販サイトのお手本にするサイトはどこかと言ったら、やっぱりDell、HP、EPSON Directですね。あとはパソコンメーカーではありませんがツクモかな〜。ソニスタはむしろ真似してほしくないWeb直販サイトの方に入ります(^^;
もちろん、ソニスタの良いところもあります。ソニスタの良いところは、「Web直販サイトならでは」の商品が豊富にあること。
Web直販限定カラーや、Web直販のみの台数限定スペシャルモデルとか。
もともと、富士通やNECに比べると店頭の露出がやや弱いSONYですから、逆にWeb直販サイトの方が何かと充実している感すらあります。
ですので、確かに「売り方」についてはソニスタは参考になるかも知れませんが、サイトの作り方については正直真似して欲しくないな。(^^;

まとめ

なんだか、アフィリエイトとはあまり関係ない話が多くなってしまいました。m(_ _)m
また、ほとんど随筆文的なまとまりのない文章になってしまった感がありますが、アフィリエイト活動をする上で、こういう話を聞く機会は貴重です。
アフィリエイトプログラムを提供している側はアフィリエイターをどう見ているのか、そしてWeb直販をどう考えているのか、その辺について知ることができると、実際の自分のアフィリエイト活動の上でも役に立ちます。
今回の富士通の件で言うと、富士通の意気込みはよく分かるのですが、今ひとつ戦略的に決め手にかける感があります。富士通の製品に対する理解は深まったのは事実でありますが、それよりも重要なのは、こういう今後の戦略についての話が聞けたところです。
例えば、個人的には、価格的に有利な感がある法人モデルの扱いをもっと上げた方が良いのではないかと思いますし、値引きの仕組みが複雑すぎて分かりにくいのをなんとかした方が良いのではないか(アフィリエイトする側から言わせてもらうと実際の正確な値段が分かりにくいので紹介しずらいです)、とかいろいろあるのですが、その辺も含めてまだまだ戦略が固まっていない感じがなきにしもあらずです。
それは人的要素、経済的要素も多分にネックになっているに違いないわけで、ゆくゆくは解消される可能性は0ではありませんし、少なくともやる気になっているのはよく分かりましたのですが、本音を言わせてもらうと、現時点では富士通の製品を大々的に自分のサイトでプロモーションするほどの力はないのかな、と判断できますので。