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2007/12/18

一番強力な「ブランド」は何か?

ブランディングについての若干まとめ的な話です。
サイトのブランド力を向上させるには、大変な努力が必要です。
ですが、努力と同じぐらい大事なのはアイディアです。
このアイディアこそブランド力の最大の源だと思います。
では、アイディアのネタはどこにあるのでしょうか?
カリスマアフィリエイターのアフィリエイトの講習会?
書籍?
人的ネットワーク?
いろいろな意見があると思います。
ですが、そんなものより、もっと自分の身近に結構ネタはたくさんあるんです。

日常の中に「ネタ」はたくさんある

実際、自分がブランディングのネタや方法を思いつくのは、結構日常の中からだったりします。普段の何気ない行動の中で、そこに隠されたネタに気がつけるかどうかで、全然違ってきます。
そして、そのキーは「不便さ」であることが多いです。

もともと、人はなぜ検索という行動を起こすかというと、情報を収集したいからです。
純粋な興味から情報を収集する場合もあるでしょうが、大抵、何かに「困っている」からです。
検索する対象に対して、ちゃんと理解できており何も疑問がなく不安も感じていなければ検索などしません。

実例:中古車関係

例えば、実際の自分の体験で言えば、中古車を購入しようとした時のことの体験などをあげてみましょう。
自分は、自動車の関連(例えば、自動車保険などのメジャーな分野も含めて)のアフィリエイトはやっていませんが、そういうあまり関係のない分野の問題でも役に立つのです。いやむしろ、そういう分野に詳しくないからこそ気付く「不便さ」というのも多いのです。
基本、自分はあまり車のことに詳しくないので、今乗っている車を処分して、何か安い車に乗り換えようとした時に、そもそも、中古車というのは、実際自動車本体価格以外にどれだけの経費がかかるのかさえよく分かっていませんでしたし、手続き関連のめんどくさい部分は業者がやってくれるのか、そうでないのかさえよく分かっていませんでした。
で、とりあえずWebで検索して見るのですが、まずWeb検索してみて最初にでてくるのは中古車販売店ばかりで、その辺の知識を解説したサイトや掲示板というのはなかなか見つかりません。
ここにまず、不便さがあります。
もちろん、分かっている人ならば、その手の有名な情報サイトを知っているかもしれませんし、そもそも検索をするキーワードが全く違うのかもしれませんが、なにしろよく分からないので同じような検索を繰り返してしまい、結局同じサイトしか出てこなくて堂々巡りになってしまいます。ゼンゼンうまく検索できないんです。
結局、私はどうしたかというと、ネットの情報では今ひとつ事情がよく分からないので、実際に販売店に出向いて、お店の人に質問してみました。正直、お店の人の方がよっぽど分かりやすかったです。
これはつまり、情報が溢れているはずのネットにおいても、中古車関係のネット情報には、十分な情報が存在しない(のかも知れない)ということが分かるわけです。
そしてもう一つ感じたのが、中古車はやはり一台一台値段が違うわけで、一般に、本当にお買い得な情報はネットに掲示されない傾向があること。本当にお買い得な中古車は、ネットに掲示するまでもなく売れてしまうので、ネットに掲示する意味がないからではないか、という感じがしました。
そういう意味でも、ネットでだいたいの相場は分かっても、実際買うとなるとネットで中古車を探すのはあまり現実的ではないな、という感触を持ちました。
結果的に自分はどうしたのかというと、中古車を買うことは断念しました。なぜかというと、「ヨクワカラナイ」ことが多すぎるんです。
結局、割高なことは分かっていても、今乗っている車を修理することを選びました。その方が、実際どれぐらいのお金がかかるのかはあらかじめ予想がついていたから、安心だったのです。もちろん、これがベストの行動だとは思いません。というか、もっとも安直な行動と言えるでしょう。
ですが、やっぱり消費者の心理として、「不安」なものには手を出しづらいのです。そして、少なくとも私にとって、中古車を購入するということは予想以上に、分かりにくかったりリスクを感じることが多かったです。

「不便」こそブランディングの母

ここから分かるのは、少なくとも、あくまでその場しのぎ的な意味合いで中古車を買おうとしている層は、少なくとも2つの選択肢があります。
今の車をどうにかして乗り続ける選択肢と、中古車を買うという選択肢です。そして更に言えば、もうちょっと無理して新車を視野に入れる人もいるでしょう。
そうした選択肢の中で、一番敷居が高いのはやはり中古車です。中古車は新車と違って一期一会ですから、判断力も問われます。「これってお買い得なのかな〜? どうなのかな〜」なんて悩んでいたらあっという間に売れてしまいます。
なので、やっぱり知識はそれなりに必要。正直、車の素人にとってはかなり敷居が高い世界だと思いました。
ですが、値段的には魅力的なのは確かなわけで「できれば中古車で済ますことができればな〜」という層は確実にいるわけです。実際自分はその層だったわけです。だから、もし的確な情報を提供してくれるサイトがあれば、また結果は違ってきたかも知れません。
つまり、ここに大きな「不便さ」が存在するのが実感として分かります。
逆に言えば、この「不便さ」を解消するサイトを作れば、少なくともアクセスはそれなりに集められそう、と判断できるわけです。
じゃあ、そういう視点に立った中古車解説サイトを立ち上げればうまく行くのかというと、アクセスは集められても、それをどうアフィリエイトに結びつけるかという大問題があるので、そんなに単純な話ではありません。ましてや自分は車について特別詳しいわけでもないわけですし。ただ、一つの「考え方」としてはもしかしたら有効かもしれません。
このように、普段の生活の中で何となく感じる不便や不安を、それを放置するのではなく常にアフィリエイトに関連づけて考える癖をつけると、いろいろなアイディアが出てくるものです。
つまり、「不便」こそブランディングの母なんです。

もう一つ、「不便ネタ」の効用

そういう、小難しいことを抜きにして、「不便ネタ/不満ネタ」というのは、サイトの質を考える上でほとんど必要不可欠と言っても過言ではないぐらいだと思います。
それが訪問者にとって役に立つかどうかはともかくとして、訪問者が読んでいて面白さを感じるサイトになります。もちろん、誹謗中傷的な記事内容にしてしまっては逆効果ですよ。あくまで失敗談、ドタバタ劇的なノリがベストではないでしょうか。
訪問者はそういう、他人の悪戦苦闘を読んでいるだけで、結構面白いモノなんです。変な話、「他人の不幸は蜜の味」なんです。この辺の人間の心理は何なんでしょうね?(^^;
自分が実際に感じた不便や不満を記事にする。そして、なるべくその不便/不満を解消する方法も提示できればベストですね。そうすれば、面白いだけでなく、役立つサイトになるわけです。
こういうのが一つ一つ積み重なっていくと、やっぱり読者の心にも響くんですよ、「商売抜きで、管理人は"本気"でやっているんだな」というのが伝わるんだと思います。